2015.08.17 Mon

Written by EDGE編集部

インタビュー&コラム

【久保田コラム】コーチのあり方ってなんだろう?『協同探求』『協働探究』をサッカーでも表現したい! のはなし

大好評の久保田コラム。今回は「コーチのあり方」についてのおはなしです。久保田さんが考えるコーチのあり方。それは「協同探求」「協働探究」。これは、画一的で一方的な指導を否定し、共に学び、共に成長する考え方のことを言います。世の中には様々な指導法がありますが、はたしてどんなスタイルが、子どもをより成長に導くことができるのでしょうか?(文・久保田大介/SUERTE juniors 横浜)

最近、コーチとしての在り方、みたいなことをよく考えます。

もちろんそこに正解はないだろうし、人によって考え方やスタンスは様々だと思います。

僕は、自分の経験値だけに沿って、一方的に指導をしたり、自分の好みを押しつけたり、選手を操作対象として主従関係をつくったり、というスタンスとは永遠にサヨナラをしたい。

選手達と一緒に笑って喜んで、悔しがって、思い出をつくってという「一緒にやる」コーチでいたい。いや、一緒にやるというよりは「一緒にいる」というべきかもしれません。

僕が指導しているジュニア年代のクラブ「SUERTE juniors 横浜」でも、今はそんな感じです。練習でも試合でも、ゲームなどに混ざっても、まずは僕が楽しむ姿を見せようとしています。

試合中も指揮をとる、采配する雰囲気は皆無。僕はあくまでもチームの一員。一緒に戦うと決めています。

点が入れば一緒に喜ぶし、審判があまりにも理不尽な判定をしたり、全く走らずにミスジャッジばかりする人には「何やってねん!こっちは本気でやってんだよ!」と熱くなってしまいます。その結果、周りの大人に怒られても構わない。選手達を理不尽な大人から守るのは、自分しかいない、と思ってるから。

子ども達と話をする時も、コーチ → 選手への指導といった感じではなく「男同士の何気ない会話」みたいな感じになっています。ほぼ友達感覚。これは意識してそうしているわけではなく、自然にそうなっているのですが(笑)

僕がこのスタンスになる前、子ども達が自分から、僕の方に寄って来ることはあまりありませんでした。でも今は、子ども達の方から「学校でこんなことがあってさぁ」と、サッカーに関係のない話をたくさんしてくれるようになり、自然体で接してくれるようになりました。そして今、子ども達は僕のことを「コーチ」ではなく「くぼっち」と呼びます。

◆女子サッカーの名門校での出来事

東京都の豊島区に、女子サッカーの名門・十文字高校があります。全国の舞台に何度も出ている強豪で、今夏、中学サッカー部は全国ベスト4に上り詰めています。僕はこの十文字中学サッカー部でも、一昨年度までコーチを務めていました。十文字ではたくさんのことを学ばせてもらい、とても感謝しています。

十文字中ではとにかく楽しく、ワイワイと騒ぎながら、でも気がつけば色々なことが身についている、伝わっている…というスタンスで指導をしていました。「そうじゃないと、俺が十文字で教える意味ないでしょ」と勝手に思っていました。

十文字は才能の宝庫で、みんな「十文字でサッカーがしたい」という強い意思を持って入学してきたので、当然意識も高い。技術もある。そんな子達が、楽しく笑いながらサッカーをすることができたら、それこそ無敵、最強でしょ、と。

<次ページ>十文字高校の練習ゲームに混ざって感じた、強烈な違和感

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