2015.01.03 Sat

Written by EDGE編集部

高校&ユース

『戻ってきた男・中村が攻撃をけん引』2回戦 日大藤沢 3対2 高川学園

写真:HIKARU KAWASAKI

前半10分、日大藤沢の中村恒貴が2試合連続得点となる先制弾を挙げると、2−1で迎えた後半22分に田場ディエゴが追加点を決める。終盤に高川学園の猛攻を浴び1点を失うも、3−2で勝利を収めた。(取材・文 松尾祐希)

勇猛果敢なドリブルと当たり負けしない体幹の強さで、日大藤沢の攻撃を支えるのが11番のMF中村恒貴だ。

前半10分、右サイドからMF佐藤拓が折り返したボールに素早く反応。

一度は相手に防がれるも、自らこぼれ球を押し込み、2試合連続得点となる先制弾を挙げた。

中村は今でこそチームを勝利に導くゴールを決める存在となったが、立ち上げ当初からレギュラーとして活躍していた訳ではない。

 「(今夏の総体終了後に)頭角を現してきた選手。小さいながらも自分の良さを生かし、3年生になってそこに気がついた。ケガがあって手術もしましたが、強気で前向きな姿勢を買っています」と日大藤沢・佐藤輝勝監督が評するドリブラーはケガの影響もあり、試合に出場することは少なかった。

2年生の2013年10月下旬、右足首にヒビが入り手術。

2月下旬に完治し、臨んだ3月のイギョラ杯では左足首を捻り、重度の捻挫に見舞われる。

この負傷で約2ヶ月間のリハビリ生活に舞い戻ってしまった。

負傷して復帰し、負傷をするという繰り返し――。

サッカーを辞めようと決心しても不思議ではなかった。

本人も「ケガばっかりして、本当に嫌でした。味方がプレーをしていて、得点を決めれば嬉しい気持ちはあるのですが、喜べない部分もあり、悔しいところがありました」と当時を振り返る。

しかし、その気持ちをつなぎ止めてくれたのは佐藤監督からの言葉だった。

「お前が最後に必要になるから、あきらめないで努力をしろ」

この言葉を支えに、トレーニングに取り組むこと決心した。

しかし足を使うトレーニングはできない。そこで、コーチ陣から筋トレをすることをアドバイスされ、上半身のトレーニングを開始。コーチにメニューを作ってもらい、日々自主トレに勤しんだ。

そして中村曰く、父親が「筋トレマニア」ということで、自宅にあるベンチプレスでもトレーニング。時には父親も一緒にトレーニングをし、筋力を鍛えた。

最初こそ30キロしか上げられなかったが、80キロを上げられるようになるまでに成長。現在は筋トレをやり過ぎてもよくないということで、体幹を鍛えることにシフトしている。

父親と共に鍛えることは少なくなったが、家族の支えもあり、苦しい期間をプラスに変えてきた。

中村は食事面からも身体を鍛えるべく、栄養バランスを考えた食事を母親にリクエスト。

「母親にいろいろ要求して、怒られたりします」と本人は語るが、ササミなどの低脂質高タンパクの素材を使ってもらい、食事面からも身体を作り上げていった。

すると、その効果は徐々に現れ始める。

ケガが完治した今夏の強化合宿では、レギュラーチームを相手にした紅白戦で「取られる気がしなかった」という、当たり負けしないドリブルで活躍。

そのプレーが佐藤監督の目に止まり、レギュラーへと抜擢された。

 監督やコーチ、家族の支えがあってこそ、今の活躍がある。

その思いを胸に3回戦でも活躍を誓う日藤のドリブラーは「試合前はパスタが好きなのでよく食べます。ペペロンチーノが好きです」という好物を、母親に作ってもらうつもりだ。

3回戦でも、鍛え上げられた肉体を武器に、ゴールを奪う姿を見てみたい。
 
 

【日大藤沢対高川学園 試合後のコメントはコチラ

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