2015.01.01 Thu

Written by EDGE編集部

高校&ユース

『勇退する監督の思い届かず』高校サッカー 山梨学院大附 1対0 滝川第二

写真:Matsuoka Kenzaburo

1回戦屈指の対戦となったこの試合。立ち上がりからペースを握ったのは、滝川第二だった。しかし、再三のチャンスを生かせず、スコアレスで迎えた後半28分。滝川第二イレブンに待っていたのは、「悪魔の瞬間」だった…。(取材・文 安藤隆人)

まさに一瞬の出来事だった。滝川第二にとっては悪夢の瞬間だった。

「個人を責めることはできないけど、あそこでは不用意なプレーだった…。しかもちょうどあの位置に下がったときで…」。

試合後、この大会を持って勇退を発表している栫裕保監督が落胆の表情を見せた。

悪夢の瞬間は0-0で迎えた後半28分に起こった。粘り強い守備を見せていた右サイドバックの生藤弘樹が、攻め上がった際に足をつって、動けなくなってしまった。それをカバーする形で、右サイドハーフの池内慶が右サイドバックの位置に下がった。

アクシデントでポジションが入れ替わった瞬間、そこにスキが生まれてしまった。次の瞬間、池内のサイドでボールを受けた山梨学院大附のFW池添勘太郎がドリブルを仕掛けると、反応が遅れた池内は、ペナルティーエリア内でファールをしてしまい、痛恨のPKを献上してしまう。このPKをFW原拓人に決められると、これが決勝ゴールとなってしまった。

「序盤からいい形でサッカーができていた」と栫監督が語ったように、滝川第二はエースの松山大成をケガで欠きながらも、代役となったFW筒井要を始め、アタッカー陣が前への圧力を持って、山梨学院大附を押し込んだ。いい流れでプレーできていた中でのPKによる失点。

「今までの中で、いちばん悔しい負け方。最低でも引き分けで終わるはずが、相手を勝たせてしまった」。

言葉の節々に無念さをにじませた栫監督。来年以降は「兵庫県のサッカーをもっと強くしたい。滝川第二の監督だと、滝川第二というチームだけしか見ることができなくなる。そうではなくて、高校に上がる前の兵庫県の選手を、定期的に指導することで、もっと兵庫県全体のレベルが上がるようにしたい」と、新たな夢を持ってチャレンジする決意だ。

「こういう結果になったのも、自分の指導不足。今後、この経験を生かしていきたい」。「悪夢の瞬間」によって、有終の美を飾ることができなかった栫監督。無念さと悔しさを抱えて次のステップへ生かすことを誓い、西が丘を後にした。

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