2019.09.25 Wed

Written by EDGE編集部

Jリーグ&国内

2019年10月、福島で開催される『全国シニアサッカー“裏選手権”』開催への想い

2019年10月12日~13日。福島のJヴィレッジで大人たち(O-40)のサッカー大会が行なわれる。第1回目となるこの大会には、全国各地の強豪チームが参加。奈良からTONAN CLUB(関西大会3位)。北信越大会3位のアルフット安曇野。東海大会優勝の羅針盤倶楽部NAGOYA。強豪ひしめく東京からはエリース東京とレアル東京、Tドリームス。埼玉代表のFC西武台シニア、茨城代表ドリーム水戸シニアFC。その他にも京都、三重、そして福島・・・。今年度の全国大会出場は叶わなかったが、大人になっても真剣にサッカーに取り組むチームが集結する『裏選手権』を開催するに至った経緯を、発起人である、アマチュアフットボーラーの中村篤次郎氏が綴った。(タイトル写真:Naomi)

高校まで野球少年だった私がサッカーと出会ったのは、大学時代のサークル『45FC』だった。昭和45年生まれが中心になって作ったチームに「GKがいないから」と誘いを受けたのがきっかけで、30年も前の話だ。(リンク)

時を経て、自分がプロサッカークラブ(ツエーゲン金沢)の立ち上げをすることとなり、36歳でGM業務を行う事になるなんて、予想だにしなかった。そのお陰で、サッカーとのご縁が継続しているのかもしれない。

■あるアマチュアフットボーラーとの出会い

『全国シニア選手権(O-40)』という大会がある。文字通り、40歳以上の人たちの全国大会だ。それを強く意識するようになったのは7、8年ほど前のこと。草サッカーに興じていた頃、行く先々の会場でよく見かける真っ黒で精悍な人が声をかけてくれた。

「最近よく会うよね!」

それはお互い様である。以降、試合後に車で送って貰ったり、同じチームでプレーするようになった。

忘れる事のできないシーンがある。東京都葛飾区奥戸のピッチで、私のあげたセンタリングを彼が見事なダイビングヘッドでゴールを決めてくれたのだ。ふたりを急速に親しくさせてくれる、きっかけになったプレーだった。

林茂さん、当時50歳。

試合後、自身が出場した全国大会のことを嬉々として語ってくれた。ピッチに入場するときに、自分の名前がアナウンスされて心が躍ったこと。手入れされた天然芝がもの凄く綺麗で、自分が上手くなったような気になること。何より、大切な仲間たちと「全国大会出場」という目標を共有して戦うことの尊さと喜び。そして、それを実現するためにどんな努力をしているのかー。

身近で全国大会に出場したオトナがいて、日々努力している姿がとてもカッコ良かった。

「アツも目指せばいいじゃん、いけるよ」

茂さんの何気ないひとことから、それは始まった。40歳以上でも「全国大会出場」という目標を持てることを教えて貰った。真剣に取り組み、仲間と共に人生で一度も経験した事のない「全国大会出場」というミッションが、自分の中に芽生えた瞬間だった。(リンク)

 

■自らの手で、全国大会を作る

2014年、石川県代表として北信越大会に出場するも、コイントスで全国大会出場を逃す。(リンク)

2015年、得失点差でまたもや北信越大会で敗退。(リンク)

2016年、2017年、2018年・・・仲間と全国を目指して立ち上げたチームは、いずれも東京都予選で敗退。全国大会どころか、レベルの高い東京では関東大会出場もままならなかった。

いつしか、自分の中で全国大会は遥か遠い存在になってしまっていた。

JFAが主催する全国大会は、2019年は函館で行なわれる。そこに出場できるのは僅か16チーム。門戸の狭さも感じていた。自分と同じ想いを持つ人、沢山いるんだろうな・・・。ふと、そんな事が頭をよぎった。

だったら、その人たちが喜ぶ場を作ればいい。

年初から全国大会出場に向けてスケジュールを確保し、遠征費を貯め、体作りをして真剣にサッカーに取り組むアマチュアフットボーラーは多い。「強豪」と呼ばれるチームほど、努力を怠らない選手が多いというのが実感だ。でも、全国大会というハレ舞台に立てるのは16チームのみ。ほとんどのチーム、選手のスケジュールはその日までに空白になってしまう。

そんなことを考えていた折、サッカーの聖地、Jヴィレッジ再開の話が聞こえてきていた。「被災地を忘れない」ということ以外に、何かできないかと考え続けていたとき、ふと閃いた。

「復興支援も兼ねて、全国大会と同じ日程で大会ができないか」

被災は福島、Jヴィレッジだけではない。でも震災前年、私が所属させて貰っている某企業グループのサッカー大会がJヴィレッジで行なわれ、素晴らしい環境の中でプレーをさせて貰った記憶があった。何より、その綺麗な芝が駐車場や資材置き場となり、別の役割を果たしている事に、心を痛めていた一人だった。ならば、このタイミングだ、と。

 

■人のために動く

やると決めれば即行動。一人の力では限界があり、到底不可能なので、仲間に声をかけた。25年来の友人である、今大会の実行委員長を務める脇田英人(スポーツマネジメント株式会社代表)。数多くの大会を開催、運営してきたプロフェッショナルだ。

もう一人は渡邉俊介(TSV1973四日市代表)。サッカー仲間でもあり、幅広い人脈を持つ会社経営者。O-35の全国大会に出場した経験のある、アマチュアフットボーラーだ。(リンク)

この二人がいなかったら、絶対に開催はできていなかっただろう。

自分のための大会ではなく、志を持つ多くの選手、チームのために何ができるのか。2019年1月、あたためていた企画を二人にプレゼンし、活動はスタートした。

 

■コンセプトは「真剣に遊ぶ」

二人の意見もあり、大会は出場チームのレベルと質にこだわる事とした。一般公募も検討したのだが、まずは、残念ながら今年度は全国大会に出場できなかった強豪チームに声をかける事とし、質を担保するために、前年度の全国大会上位3チームの地域から、主催者枠とあわせて4チームを招待する事となった。

大会運営のプロ、脇田の提案で参加チームは12チーム。初日に2試合、翌日に決勝トーナメントを実施。通称も「裏選手権」に決定した。

「生涯現役プレーヤーに最高の環境を提供する」という主旨から、使用するピッチは全て天然芝、試合前練習の会場も確保。また、民間大会ならではの特長を活かし、多くのスポンサー、サプライヤーが協力してくれる事となった。実績のない第1回目の大会に賛同し、協力してくれた企業には感謝しかない。

 

多くのスポンサーの協力を得て、大会開催の運びに。

多くのスポンサーの協力を得て、大会開催の運びに。

 

優勝賞品を提供していただいたJOGARBORAは、HPの中から選手が気に入った自社商品を選べるように。MVP等の個人賞を提供して下さる㈱モルフォは、自社ブランドのノイインテレッセより、日常で活用できるビジネスバッグや財布を。

 

㈱ノイインテレッセのバッグ

ノイインテレッセのバッグ

 

㈱アールアンドデーも、自社のM・モゥブレイスポーツより、インソールを。ログイン㈱は包帯パンツ、オーガニックコットンで商品展開するViridariからはタオル等々。大会の模様をドローン撮影し、記録映像を残してくれる福島本社の㈱スペースワンは、福島特産カタログギフトの提供も。それ以外にも、有名メーカーの寝具等を協賛して頂く事となった。

 

㈱ノイインテレッセの財布

ノイインテレッセの財布

 

そして嬉しいサプライズがもうひとつ。

大会ロゴ・エンブレムを長野オリンピックのエンブレムデザイナーである篠塚正典さんが手掛けてくれたのだ。(明治製菓ZAVASやJASDAQ等も彼の作品である)。40歳を過ぎてもまだまだ伸びしろがあり、発展していく、というイメージは、我々にとってピッタリなのではないだろうか。エンブレムに恥じない大会を継続していきたいと心に誓った。

 

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■産みの苦しみ

チーム決定には、時間を要した。都道府県、地域によって全国大会出場チーム決定の時期が大幅に違い、早々に決定した地域は本来の全国大会の日にも試合が入ってくるし、本番の1ヶ月前に出場チームが決まる地域もある。

そんな中で様々なチームに大会趣旨を説明し、参加を打診する事は、それまでに築いた信頼関係があってこそ。多くの問題や危機もあったが、その度に3人の誰かが必ず前向きな意見や肯定的なアイデアを出す事によって乗り越えてきた。

また、決定していた公式戦の日程変更を打診してまでも「この大会に出場したい」と、交渉してくれたチームや、人数が心許ない分、ライバルチームと合同での参加を決定してくれたり、「第1回目に参加する事で支援したい」という、涙が出るような有難い言葉をかけて下さったチームなどもあった。

これらは、脇田や渡邉が培ってきた人脈の賜物である。

 

■捧げる想い

2018年夏。私に「全国大会出場」を目指すきっかけをくれた林茂さんが亡くなった。57歳の若さだった。

その年の3月に『公式戦1000GOAL達成記念パーティー』をしたばかりだった。サッカー仲間と、何度も茂さんのプレーを編集したDVDを観た。画面の中の茂さんはとても元気で、溌溂と楽しそうにプレーしていた。

彼から、シニアの全国大会があるのを教えて貰い、刺激を受け、全国大会を目指し、努力することを学んだ。そして茂さんの親友だった篠塚さんが、エンブレムをデザインしてくれた。

この大会開催は林茂、彼から始まっている。サッカーが大好きでサッカーを愛した茂さんはもういない。でもきっと天国の茂さんも「アツらしいね」と言って喜んでくれるんじゃないか、と思う。

今プレーできる事、人のために何かをできることに感謝すると同時に、この大会が皆さんに喜ばれ、未来永劫継続していける土台、基盤を4人で創っていきたい。そのための未来図は描けているし、すでに将来を見据えての動きもスタートした。

大会が待ち遠しくて仕方ない。

 

期日:2019年10月12日(土)~13日(日)

会場:ナショナルトレーニングセンター J-VILLAGE

後援:関東サッカー協会 シニア委員会、北信越サッカー連盟

 

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写真:Tomotaro.M

 

<プロフィール>

中村篤次郎(なかむらあつお)

メットライフ生命保険㈱|晴海通A/O エイジェンシープレーイングマネージャー。2019年度 カスタマーセントリシティ・マイスター称号。アマチュアフットボーラー。

≪緊急公募≫

『第1回J-VILLAGE全国シニアサッカー大会(Over40)』

全国大会を目指している“生涯現役プレーヤー”の皆様を対象に、もう一つの目標となるシニアサッカー“裏”選手権。

参加チームの「レベル」と「質」に拘った第1回大会、1チームの枠が出来たため一般公募をすることにいたしました。

残念ながら全国大会には出場できなかった、真剣かつ強豪を自負するチームの皆様のご参加をお待ちしております!

 

≪参加チーム≫  

・あずまFC(福島県代表)福島県リーグ2位

・フットボールクラブ西武台シニア(埼玉県代表)

・エリース東京40(東京都代表)東京都1部リーグ1位

・レアル東京40(東京都代表)東京都1部リーグ2位

・Tドリームス(東京都代表)東京都1部リーグ3位

・ドリーム水戸シニアFC(茨城県代表)

・アルフット安曇野(長野県代表)北信越大会3位

・羅針盤倶楽部NAGOYA(愛知県代表)東海大会1位

・TSV1973四日市40(三重県代表)

・TONAN CLUB(奈良県代表)関西大会3位

・ダディーズ(京都府代表)京都府リーグ2位

【お問合せ先】  全国シニアサッカー大会実行委員会  

委員長:脇田 英人 E-mail:wakita@spo-mane.co.jp

 

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