2018.08.04 Sat

Written by EDGE編集部

ヨーロッパ

育成強国ドイツが提案する ジュニアサッカー指導の手順と練習法1 子供たちのサッカーは、楽しいもの

2018年5月に出版されると、大きな話題を呼んでいる『「育成強国」ドイツが提案する ジュニアサッカー指導の手順と練習法』(東邦出版)パウル・ショーマン、ゲルト・ボーデ、 ノルベルト・フィート、 ドイツサッカー協会 (編集), 坂本健二 (翻訳)。フットボールエッジでその一部を紹介するので、日々のトレーニングにぜひ役立てほしい。

☆育成コンセプト

子供たちのサッカーは、楽しいもの

子供たちのサッカーに対する熱狂は、大きなものとなっている。これほどたくさんの少年少女がクラブに所属し、サッカーをプレーしたことは、かつてなかった。サッカー熱の高まりはチャンスであると同時に、指導者にとっては責任を伴うものである。

サッカーは誰でもプレーできるスポーツ

子供たちのサッカーがブームになっている。少年少女は、小さな1つのボールを使ったゲームに魅了されている。サッカーの魅力を一言で言うと「ゴールを決めて、ゴールを守る」というプレーの簡単さにある。ルールもシンプルで、誰でもすぐに理解できるものだ。

サッカーは誰でもプレーできる。何か丸いものと目立つゴールがあれば十分で、スポーツが得意でない人でも簡単に「サッカーの試合」を楽しむことができる。初心者でプレーがぎこちなかったとしても、各自が成功するチャンスを持ち、試合の魅力を最初から味わうことができる。

かつて、子供たちは遊びの中でサッカーを楽しんでいた。路地裏や公園、広場など、いたるところでボールを蹴っている時代があった。たとえ猫の額のような小さな広場でも、子供たちはボールを片手に集まってきた。そしてミニゲームの中で想像力を発揮し、いつもその場に合った新ルールを自然発生的に作り出しながら、サッカーとはどういうものかを体験した。幅広い年齢層の人とボールを追いかける中で、多くのことを学んでいった。

プレーして、戦って、笑って、さらには時々言い争いもして――それが「ストリートサッカー」と呼ばれたものだった。昔の子供たちは毎日のトレーニングのように行なっていた。この「ミニゲーム」の中で、子供たちは、後の「11対 11 の大きなサッカー」の基礎を学んでいた。

昔の子供は木登りや追いかけっこ、かくれんぼなど冒険に満ちた遊びを楽しみ、その中で勇気や創造性、自己主導性を高めていった。束縛されない遊びの世界は、健康な精神と身体を作ることに寄与していたのだ。

今日の遊びと体を動かす機会

しかし、今日の子供たちは遊ぶ機会や体を動かす機会が減っている。ストリートでボールを蹴る機会がなくなり、地域のスポーツクラブでサッカーをするようになった。こんなにも多くのサッカーに魅了された少年少女が、クラブでサッカーをすることはこれまでになかった。

そして今日、多くの子供たちにとっては自分の部屋が遊び場となっている。活発に体を動かすことに代わり、家の中に留まっているのだ。

クラブでのサッカーは、子供たちが本当に必要としていることを満たすべきで、現代の生活環境を考慮した取り組みが必要とされている。

子供たちのサッカーにおける、育成の最初のステップ

サッカーを始めて、トッププレーヤーになるまでの道のりは長い。どうすれば、できるだけ多くの選手たちがこの目標に達することができるのだろう。どうやって、選手として素晴らしい資質を獲得することができのだろうか?そして、それはいつだろうか? 同じように大切なことは、サッカーにおいて、できるだけ大きな喜びを得るためには、どうしたらいいかを考えることだ。どうすれば、一生サッカーと付き合ってもらえるようになるだろうか?

試合での熱狂、喜びに満ちたプレー、チームとしての体験は、すべての育成プロセスの礎である。

子供たちの必要性に沿った指導を!

はじめにお伝えしたいのは、サッカーを指導する上で大切なのは「子供たちの年齢や、能力に合わせた指導をすること」である。そして、トップレベルの選手になるために必要な要素と、指導をする選手たちの能力に合わせて、矛盾がないように調整することである。そのためにまずすべきは、将来、トップレベルの選手に到達するために必要な要素を、長期、中期、短期と年代にあった目標に分類すること。それぞれの小さな目標は互いに関連しあい、長期的な育成プロセスの中で段階的に設定されるのが望ましい。

部分目標は一貫して、その時の子供たちには何ができて、何をしたいのか?に合わせる必要がある。「若い選手たちの、その年代における興味」と「年代に応じ、心と体の特性を考慮した学習目標」との間における調整こそが、子供たちにとってより良い学びとなる。

オリエンテーションの助けとなる育成ステップ

育成コンセプトは、明確に定められた育成ステップに細分化されている。

• 選手たちの現状の能力に、正確に合わせた育成コンセプトと育成の重点
• 選手たちを最適にサポートしながら、かつ要求する魅力的な練習のための「特別な構成要素」
• それぞれの育成ステップにおいて、練習を完璧に仕上げるための「理想的なゲーム形式」
• 選手たちのモチベーションを上げ、学びたいと思わせるサッカーを実現する「コーチへのガイドライン」

本書では、詳しい育成ステップの範囲に基づいて、正確な情報と詳細な練習へのアドバイスを提供する。

育成コンセプトを定義することは、すべてのコーチにとって、練習、試合、教育面での指導に有益なものとなる。育成をする上での大切なのは「選手たちがサッカーの試合で喜びを体験すること」あるいは「ステップ・バイ・ステップで学ぶ過程」である。

 

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