2017.05.15 Mon

Written by EDGE編集部

アジア

水野輝とカンボジア王者ボンケットFCのアジアへの挑戦

明治大学を卒業後、J3のFC琉球で1シーズン戦った水野輝。プロとして納得できる待遇を受けるには至らず、アジアで挑戦することを決意する。向かった先はシンガポールだった。(文・佐藤佳成/写真提供・株式会社ユーロプラスインターナショナル)

アルビレックス新潟シンガポールと契約した水野は、海外1年目にも関わらず、シンガポールリーグ2015でリーグ戦3位、国内カップ優勝。個人としてもシーズンを通して先発出場を続け、充実した毎日を過ごす。しかし、水野は更なる成長を求め、アジアのサッカー新興国であるカンボジアに新天地を求めることを決意した。

新たな移籍先は、2013シーズンに国内リーグ優勝、2015シーズンにはフンセンカップで優勝するなど、国内きっての強豪スバイリエンFC。カンボジアは、必要なものは何でも揃う日本やシンガポールとは違い、サッカーだけではなく、生活、文化、環境、言葉、全てが違う。しかし、水野はそんな環境の違いにもすぐに適応する。

スバイリエンFCに合流後、コーチやチームメイトからの信頼を得ることに成功した水野はシーズンを通し、ボランチとしてチームを支え、カンボジアリーグ1年目ながらオールスターメンバーに選出されるなど、安定したパフォーマンスを見せた。

 『スバイリエンは良い選手は多かったのですが、攻撃的な選手が多く守備が手薄でした。その中で自分のようなタイプがはまったのだと思います』と水野は話す。

スバイリエンFCでの活躍は、すぐに関係者の目に止まる。カンボジアリーグ2015、2016と2季連続優勝、トヨタメコンチャンピオンシップ2016決勝でタイ王者ブリーラム・ユナイテッドFCと熱戦を演じた、ボンケットFCからのオファーが届いた。

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◆カンボジア王者として戦うAFCカップ

2017シーズンよりカンボジア王者のボンケットFCと契約を結び、国内リーグのみならず、AFCカップでもプレーすることになった水野。ボンケットFCは、強力な外国人選手やカンボジアの英雄チャン・ワタナカなどを擁し、抜群の攻撃力で一気にカンボジアのトップクラブに躍り出たクラブだ。

ボンケットFCは新シーズンより、更なる強化を目指し、オーストラリア人監督を招聘。水野は新監督のもとで、すぐにボランチとしての信頼を勝ち取る。

しかし、ボンケットFCはカンボジア王者。クラブから水野に要求されることも少なくないという。

 『ボンケットでは守備だけではなく、攻撃の起点としてのプレーも常に求められています。もっと成長しないといけない』

 国内リーグに加え、アジアの国際大会であるAFCカップにも初出場を果たしたボンケットFCは、ミャンマーのマグエFC、フィリピンのグローバルFC、マレーシアのジョホール・ダルル・タクジムFCと同組となった。東南アジア全土を駆け巡り、過密な試合スケジュールをこなすボンケットFC。豊富な資金力で国内外から優秀な選手を集める各国のトップクラブとの対戦は、厳しい戦いが続いた。

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なかでも、日本代表がフランスW杯初出場を決めた“ジョホールバルの歓喜”の舞台をホームとする、マレーシア屈指のビッククラブであるジョホール・ダルル・タクジムFCは別格だった。

今までに経験したことのない、スタジアムを埋め尽くす数万人の観客の熱、スバ抜けた個の能力を有する外国人選手達。ローカル選手もマレーシア代表選手など、レベルの高い選手達が揃っていた。

『正直、チームとしても圧倒されてしまいました。自分たちもプレスで上手くはめたかったのですが、全てが後手に回ってしまい、どうにも出来ませんでした』

しかし自身初めての国際大会は、楽しいものだったと水野は話す。

『その国に行って、その国のトップのクラブと試合をする。そうすると、その国の色などが見えてきて楽しかった。もっとこういう舞台で戦いたいというモチベーションにもなりました』

 

◆ゴールはもっと先にある

2015年に日本からシンガポール、そして、カンボジアへ活躍の舞台を移し、AFCカップを通じて、アジア各国の強豪クラブとしのぎを削ってきた水野。サッカー選手としての価値を上げ、更なる目標達成へと続く階段を着実に登っているが、現在はJリーグやヨーロッパでプレーしたいという考えはないという。

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『自分はアジアで勝負したいと思っています。今だったら、マレーシアやタイなど、東南アジアのトップリーグでプレーしたいという気持ちが強い。そしてACL(アジアチャンピオンズリーグ)でプレーしてみたいと思っています』

常に自分を信じ、しっかりと目標を見据え、一歩一歩、進むべき道を行く水野輝。近い将来、アジアトップのクラブの一員としてACLで戦う姿が観られるかもしれない。

記事提供:株式会社ユーロプラスインターナショナル

 

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