2016.10.14 Fri

Written by EDGE編集部

インタビュー&コラム

【久保田コラム】乃木坂46とバナナマンの関係性に見る、育成年代の指導者の理想的なあり方

前回、UAE戦のことを題材にし『味方の中でプレーすることを知らない日本代表』という観点でコラムを書きましたが、つまりはそういうこと。

味方の良さを活かして輝かせ、欠点をカバーし合いながら、ピッチ上でひとつの生き物になる。それがチームです。

主力メンバーがいないと試合にならない、すぐにチームが弱くなる…ではなく、いない誰かが持っていない別の良さ、特徴を持った他のメンバー達の魅力を繋ぎ合わせ、チームの色を変えてしまえばいいんです。

僕は、誰かメンバーが抜けたとしても、他の誰かが入れ替わり、立ち替わりヒーローになれるチームをつくるべきだと思っています。乃木坂46のように。

これは日本代表やJリーグなどのトップカテゴリーだけでなく、育成年代にも言えることだと思います。育成年代なら尚更、そのようなチームづくりをしながら、ひとりひとり違う個性を引き出して育み、魅力を熟成させていくための努力を、指導者がするべきなんです。

そこを普段からすっ飛ばし、ないがしろにしておいて
「今日はトレセンメンバーが居なかったので」
「今日は学校行事で主力メンバーが抜けてしまって」
これはないっしょ、と。指導者の怠慢そのものだし、自らの努力不足を自白してるようなもの。

これは僕の肌感覚ですが、最近、余裕のない指導者が本当に多い。余裕がないというのは、育成よりも、目の前の勝負に追われてしまっている人。子供達のためと口では言いながら、実はそれが自分の自尊心やメンツを満足させるためだけになってしまっている人。

毎週末のように試合があり、区大会や市大会を『公式戦!』と崇めてしまい、リーグ戦とは言いながらも、それが全日本少年サッカー大会や他の公式戦の予選に位置付けられてしまうので、尚更8人制という限られた人数の中で、子供達に対して余計な何かを焚き付けてしまう。

そんな日常に追われているからこそ、少ない主力メンバーに頼ってごまかしてしまう試合が多くなり、その子達がいない時は
「今日はトレセンメンバーが居なかったので」
「今日は学校行事で主力メンバーが抜けてしまって」
となる、悲しい無限ループ。

こういう内容を書くために、乃木坂46を題材にすること自体、彼女達に対して申し訳ない気持ちでいっぱいなんですが(泣)

みんな違っていい。同じチームにいるからって、みんな同じ選手にしてはいけない。みんな違うバックボーンを持ち、違う個性を持っている別々の人間。そのバラバラな違いを、ボールを使って繋ぎ合わせるからこそ、チームの魅力になっていく。

そしてそのバラバラな違いをうまく「いじり」引き立たせ、輝かせることで、また新たな違う魅力が生まれてくる。その相乗効果や乗数効果が伝わって、他の選手も成長させていく。この能力があるかどうかが、指導者の力量そのものだと僕は思ってます。

乃木坂46を見ていると、見事にその形なんですよ。ある一人のメンバーが何かをすることによって他の誰かが輝き始め、その連鎖が続く。だから、誰々推しというわけでもなく、メンバー全体のことを好きになってしまう魔法に掛かる。

その役目を大きく担っているのが、テレビ東京系列の人気番組『乃木坂工事中』で、MCとして彼女達と5年間共演しているバナナマン、というわけです。

彼女達を優しく包み込み、その魅力を引き出し続ける存在。彼女達はバナナマンという大きな器の中で、自由に泳いでる。バナナマンのような指導者が、自分の理想像です。

『乃木坂工事中』

指導者にとって必須教材ですので、皆さん是非ご覧下さい (笑)

【プロフィール】

久保田大介。ジュニア年代からジュニアユース、高校の女子サッカー部を指導するプロコーチ。指導者の学びの場”Borderless” football community主宰。

<SUERTE juniors横浜ブログ(ジュニア)>

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