2016.10.14 Fri

Written by EDGE編集部

インタビュー&コラム

【久保田コラム】乃木坂46とバナナマンの関係性に見る、育成年代の指導者の理想的なあり方

大好評の久保田コラム。今回は人気アイドルグループと『サッカーのチームづくり』について論じます。(文・久保田大介/SUERTE juniors 横浜)

僕が乃木坂46の大ファンだということは以前から色々なところで公言してます。好き過ぎて、この Football EDGE にも「チームづくりと乃木坂46」と題してコラムを書かせてもらいました。

チームづくりと、乃木坂46 のはなし

前回も書いた通り、乃木坂46の魅力はその多様性。そして、メンバーそれぞれの「少し足りないところ」をうまくいじって魅力に変え、新たな個性を引き出しさらに輝かせてしまう天才ファシリテーター、バナナマンの設楽統と日村勇紀。彼女達のデビュー前から一緒に番組をやっている、この「公式お兄ちゃん」バナナマンなくして乃木坂46の魅力は語れない。

僕らコーチも選手達に対してバナナマンのような立ち位置でいられたらいい。

…と、ここまでが前回の内容。今回はその続編、第二弾です。乃木坂46の魅力とその秘密を例にあげ、サッカーにおけるチームづくりの観点に繋げて書いてみたいと思います。

これを読んでいるサッカー指導者の皆さんに、チームづくりにおいて何かしらのヒントになるようなニュアンスが伝われば嬉しいです。

またかよと思われるかもしれませんが、騙されたと思って、最後まで読んでみて下さい。

◆個性がバラバラであることが魅力

ほとんどのアイドルグループは、ある一人が中心メンバーとなり、人気もNo.1というケースが多いけれど、乃木坂46は違います。

過去、乃木坂46のシングル曲(計15曲)でセンターを務めたことがある人は計7名もいます。さらにこの7名以外でも、モデルや女優、バラエティー番組など、乃木坂46以外の仕事で活躍しているメンバーも多い。これが、乃木坂46の一つの特徴です。

あるシングル曲の選抜発表の際、センターに選ばれたメンバーがその責任の重さから不安を口にし涙した時、バナナマンの設楽さんが彼女に対し言ったこと。

「これだけのメンバーが脇を固めているんだから。こんなに心強いことはないし、頼もしいじゃんか。だから安心してやればいい。大丈夫だよ」と。

冒頭でも述べたように、乃木坂の魅力の一つは多様性にあります。様々な個性や能力を持つメンバーが集まって、それぞれの魅力が混じり合い、乃木坂46というグループを形成しています。

でもその個性はバラバラ。

『乃木坂46とは、◯◯◯のことである』と評するとしたら、この◯◯◯の中に、メンバーひとりひとり、別々の名前を入れても成立してしまう。

その曲、その日のLive、その日の番組…それぞれの場所で誰かが入れ替わり立ち替わり主役になった時、そのメンバーの魅力が引き立つように、他のメンバーが脇役を演じて支え、引き立たせ、全体がその姿を変えられる。

だから◯◯◯に誰の名前が入っても、その時々で違う魅力を放ち、乃木坂46というグループの多様性が姿を表す。

乃木坂には、こんな不思議さがある。これが最大の魅力だと思います。だから誰か特定の一人ではなく、ついついグループ全体を見守り、応援したくなってしまうのです。

エース的存在の選手や主力メンバーにおんぶに抱っこ。そんなチームをたくさん見かけます。

Aチームの選手だけを優遇していませんか?
Bチームの選手を「月謝要因」として扱っていませんか?

FacebookなどのSNSでも
「今日はトレセンメンバーが居なかったので」
「今日は学校行事で主力メンバーが抜けてしまって」
と、あたかも「その子達がいれば結果は違った」と言いたげな投稿もしょっちゅう。

例え上手い子や中心になるメンバーが抜けてしまったとしても、別の子を主力にすればいいだけ。今そこにいるメンバーの個性を繋ぎ合わせて、いつもとは違う魅力が引き出るように持っていく。そこが、指導者の腕の見せどころでしょう。僕自身、そういうのが楽しくて仕方ない性分だということもありますが。

『乃木坂46とは、◯◯◯のことである』

この◯◯◯に別々の名前が入った時、僕はそれぞれ違う角度、違う文脈で、乃木坂というグループの魅力を語ることができます。

わかりやすく、サッカー日本代表に例えて言うと

『日本代表とは、◯◯◯のことである』

この◯◯◯に名前が入り、それぞれ違う角度や違う文脈で日本代表を語ることのできる選手…。僕には、本田圭佑、長谷部誠、岡崎慎司くらいしか思い浮かばないです。

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バナナマンのような指導者が、自分の理想像

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