2016.04.28 Thu

Written by EDGE編集部

アジア

【第46節】香港在住ビジネスマンが始める、サッカー事業の軌跡「中国、タイのリーグで感じた、香港との大きな違い」

近年、アジアでサッカービジネスに関わる日本人が増えてきた。香港在住15年を数える、池田宣雄氏もそのひとりだ。32歳のときに香港で起業し、コーポ レートコンサルタントを営むかたわら、サッカーに関する様々な業務のコーディネーターとしても活動している。金融の街としても知られる香港より、スポーツ ×ビジネスの観点からエッセイ(アーカイブ)をお届けする。(文・写真 池田宣雄)

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<初出:2015年12月第4号 ぽけっとページウィークリー>

(編注:内容は全て原稿執筆時点2015年12月のもの)

香港を拠点に、アジアの各地を飛び歩いているビジネスマン諸氏にとって、香港の立地の良さはこの上ない条件を満たしている。

あらためて述べる必要もないが、東北・東南アジア諸国の各都市への航路、また陸続きの中国南部への交通手段は実に豊富で、日程的・経済的そして精神的にも渡航の負担を軽減している。

そんな香港に住まう筆者であるが、筆者のビジネスエリアは香港とお隣の深圳周辺で完結しているため、東北・東南アジア諸国の各都市に足を運ぶ事は、あまりないのが現状だ。

今秋、久しぶりに中国遼寧省の大連と、タイのバンコクに渡航する事になった。記憶が正しければ大連は18年振りに、バンコクに至っては実に22年振りの訪問だ。

まずは大連。前回の訪問も僅か1泊の弾丸出張だった事もあり、街の記憶がほとんどない状態だったので、当地の友人に行程をお任せした。主な目的は、来シーズンから中国甲級(2部リーグ)に昇格する大連超越というチームの方々との面会だった。

外国人選手と香港帰化選手の提案、ユニフォームサプライヤーの紹介、そして国外合宿地の情報提供などを行なう予定で現地入りしたが、中国甲級の最終節が行なわれるという事で、大連のもうひとつのチームである大連一方と天津松江の試合にもご招待頂いた。

中国甲級は、中国超級(スーパーリーグ)のすぐ下の全国リーグで、超級昇格を目論む上位勢では、世界的に有名な指導者や選手を招聘している。また若手中国人選手の実力も急速に伸びている事で、とてもとても一国の2部リーグとは思えないクオリティなのだ。

残念ながら、中国甲級にはアジア人枠がない事もあり、現時点では日本人選手はプレーしていない。もっとも、アジア人枠がある中国超級においても、元浦和レッズの帰化選手エスクデロ・セルヒオがプレーしているだけなのだが。

大連渡航から程なく次に向かったのがバンコク。22年前の記憶などある訳もなく、いきなりタクシーでぼられる(ていた)という洗礼を浴びたものの、そこは微笑みの国タイランド。大して嫌な気分にもならなかった。

バンコクには、第5回F-ASIA大会という草フットサル大会に、深圳チームとして参加するために訪れた。深圳からのメンバーが足りず、広州・ハノイ・シンガポールとバンコクからの助っ人を募り、大会当日の朝にはじめて顔合わせしたメンバーとボールを蹴ってきた。

その他にも、バンコクの個人フットサルサークルの方々を紹介して貰ったり、タイでプレーしている日本人選手たちとも会う事ができた。

バンコクを拠点に、選手エージェントなどを行なっているパートナーと共に、タイプレミアリーグのムアントン・ユナイテッドとスパンブリーFCの試合を観戦した。パートナーとビジネス関係にある、タイのユニフォームサプライヤーのご招待という事で、VIPルームでワイングラスを片手に楽しく観戦させて貰った。

タイプレミアリーグは、アジア有数のプロリーグとして既に認知されている。それをこの目で確かめてきた訳だが、スタジアムでの演出、ファンショップでのチームグッズの販売、そして非常にハイレベルな試合内容に感銘を覚えた。

上位勢の対戦カードという事もあったのだが、外国人選手もローカル選手も、またベンチワークも想像以上の充実ぶりで、映像やダイジェスト動画では窺い知れない部分も堪能できた。

10月のアイルランドリーグ。11月の中国甲級とタイプレミアリーグ。この足で現地観戦してきた。筆者の目を肥やす事ができた分だけ、香港プレミアリーグとのギャップに苦しむ事になるのだろう。

<初出> 2015年12月第4号 ぽけっとページウィークリー

<プロフィール>
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池田宣雄(いけだ・のぶお)
AFCB香港紫荊會(www.afcb.biz)代表。大学卒業後、物流大手営業職等を経て、32歳の時に香港で起業。コーポレートコンサルタントのかたわら、フットボールコーディネーターとして香港で活動している。香港サッカー協会会員。1970年生まれの45歳。

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