2016.03.24 Thu

Written by EDGE編集部

育成・トレーニング

「指導者の人柄が、チームの色になる」 日ノ本学園・田邊監督&京都精華・越智監督イベントレポート【久保田コラム】

2016年3月19日の夜、フットボールエッジ主催「楽しみながらでも全国で勝てる〜日ノ本学園・田邊友恵監督&京都精華学園・越智健一郎監督スペシャルトークショー」が、原宿のFutbòl & Cafe mf にて行われました。日本有数の強豪チームを率いるおふたりの指導哲学を、2時間に渡って聞くという企画です。このイベントの発案者であり、連載コラムでもおなじみ久保田大介さんに臨場感たっぷりにレポートしてもらいました。(文・久保田大介/SUERTE juniors 横浜)

インターハイ4連覇中、選手権も昨年まで2連覇と、高校女子サッカー界で最強の位置にいる日ノ本学園(兵庫)の田邊さん。一昨年のインターハイ、その日ノ本と決勝戦を戦い準優勝となり、その前年の選手権でも第3位という実績を残している京都精華の越智さん。

高校サッカー強豪チームの監督 って聞くと、つい「偉そう、怖そう、厳しそう…」なんて想像しがちですが、二人はそんな「コワモテ」な姿からはかけ離れています。

田邊さんと越智さん、僕は二人とも以前から交流させてもらっていますが、指導者としてという以前に、二人ともまず「人として」惚れてしまう、魅力的な存在。

そして関西や全国の舞台でしのぎを削り合う一見ライバルの二人が、実は…超仲良いんです。お互いをライバルと認め合いつつ、お互いをリスペクトしながら、女子サッカーの発展と選手達の「幸せ」を考えて協力し合ってる、そんな関係性。

そんな二人が揃って東京へやってくる。こんな貴重な機会は逃せないということで、フットボールエッジ編集長・鈴木さんの協力も得て、今回のイベントを企画させてもらいました。

田邊さんはこんな人
http://suertedream.pokebras.jp/e300384.html

越智さんはこんな人
http://www.footballedge.jp/lead/3516

読んで頂ければ分かると思いますが、魅力的な指導者だからこそ、魅力的なチームになるんですよね。僕が実際に会った日ノ本や精華の選手達も、本当に魅力的でした。

「指導者の人柄が、チームの色になる」
「選手達の姿を見れば、どんな指導者かが分かる」

この言葉が、そのまま当てはまる二人。今回のトークショーはその空気感を直に感じたい人が集まったのでしょう。mfの定員は45名らしいのですが、それを軽く超える52名もの方々が、参加してくれました。

mfという場所も良かったんだと思います。会場には、心地よいフットボールの香りが最後まで熱く漂っていました。

そんな当日の模様を、簡単にレポートします。あくまでも、少しだけの抜粋です。

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【 越智さんの話 】

教える側と教わる側の設定をフラットにしたい。むしろ下からいきたいくらい。

中学、高校と上がるにつれてサッカーをやめちゃう子が増えていく。その問題は単純に楽しむことができなくなっているからだと思う。だから、楽しむことをベースにすることは大切にしている。

上手い子を上手くするよりも、上手くない子を上手くすることが生き甲斐。

面白いサッカーをしたかったら、それを表現する選手たちが面白くなきゃいけない。指導者も。自分はチャラくあり続けます(笑)

僕は誰よりも挨拶します。でも選手には挨拶を強要しない。選手達に、ただ僕の姿勢を見せたい。

座右の銘は、Life is Comedy Touch。

最初に海に飛び込むペンギンは何かに食べられるリスクが高いけど、魚を得る可能性も高い。最初の一匹が飛び込んだ後に、大勢が一斉に飛び込む。だけど、その時にはもう魚は逃げている。自分は、最初に飛び込む「ファーストペンギン」になりたい。

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mf店長の有坂さんが、越智さんのことをうまく例えてくれてます。

「一歩踏み込んでみたくなる楽しげで広ーい入口。入ったら、さらに先に楽しいことが待ち構えてそうな、奥行きのある雰囲気で、気づいたら楽しんじゃっている柔らかな仕掛け。ディズニーランドみたい!」

うまい! 確かにそうなんです。この日の話の中にも出てきたけれど、越智さんの練習は、一つ一つのメニューがどんどん早い時間で流れていく。鍛えるなんて言葉とは対極だし、出来るまでやる、という感じでもない。

選手達はとにかくグルグルグルグルと、ジェットコースターのように乗せられて「次はなにをするんだろう?」とその気にさせられて、飽きている暇がない。だから、時間があっという間に過ぎていくんですよね。

僕は以前から越智さんのことを「人たらし、ジゴロ」と呼んでますが、この日のトークショーも、52名もの参加者をすっかり越智ワールドに引き込んでしまう軽妙な話術と奇才ぶり。ジゴロぶりは、以前よりも濃くなっています(笑)

この日が初・越智さんという参加者の方も多かったと思うけれど、皆さん間違いなく、オッチーファンになって帰って行ったのではないでしょうか。

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何度も全国優勝をしているチームの監督なのに、異常に謙虚な田邊さん

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