2015.12.17 Thu

Written by EDGE編集部

インタビュー&コラム

【久保田コラム】バルセロナのプレーを、少年サッカーの指導にどう活かす? ネイマールが使う“指裏”のはなし

大好評の久保田コラム。今回は「FCバルセロナの選手達のプレーを、少年サッカーの指導にどう活かす?」というおはなしです。メッシ、スアレス、ネイマールらのプレーを、少年サッカーの指導現場にどうやって落としこむのか。その一例を紹介しています。クラブワールドカップでバルセロナの試合を見る時の、参考にしてはいかがでしょうか。(文・久保田大介/SUERTE juniors 横浜)

先月行われたリーガ・エスパニョーラの「クラシコ」レアル・マドリー 対 バルセロナ。

アウェーのサンチャゴ・ベルナベウでバルサがレアルを0-4と圧倒した衝撃的なゲームとなりましたが、高度な戦術分析や専門的な解説などはその分野の方々にお譲りして、今回はあくまでも「少年サッカーの街クラブが、普段の指導現場でクラシコをどう活かしたか」という観点で書きたいと思います。

僕が指導している「SUERTE juniors 横浜」のU-12カテゴリーの練習において、実際にこのゲームの映像をiPadで選手達に見せながら、彼らと一緒に練習しました。

練習した、というよりも「普段から共有しているもの」の確認、という感じかな。

うちでは、普段からよく使うキーワードとして以下のフレーズを使います。

・相手と正対した時に、ボールを通せるコースは8つある

・内足(相手に近い足)でプレーする

・インサイド、アウトサイド、足裏は多用しない。指の付け根と指裏で充分

・判断は、極力ゆっくり

これらの項目が、今回バルサがあげた4ゴールの中に、ふんだんに詰まっていました。

では、順を追って解説します。

【 11分、スアレスの1点目 】

「ボールを通せるコースは8つある、を体現したセルジ・ロベルト」

ボールを持って相手と対峙した時に、ドリブルでもパスでも、ボールを通せるコースは全部で8つある、とSUERTE juniorsでは指導しています。

1&2つ目のコースは、相手の足が絶対に届かない安全な左右のコース

3つ目は、股抜き

4&5つ目は、相手の腰の左右

6つ目は頭上。シャペウやループで

7つ目と8つ目は、相手の足の外側、わずかボール1個分の場所

最後の7・8つ目。相手が触ろうとしても触れない場所。ここを通せ、といつも言っています。ここを通せるかが、すごく重要なんです。

相手が「あ、触れるかな」と思って足を出した、わずか外側を通すことで、相手の動きを完全に止めることができます。

シザースなどで相手を誘ったら、その逆を突くのではなく、その方向のままさらに外側にボールを運びます。そうすると、相手は伸びきった足をさらに伸ばさないといけなくなり、ついてくることができません。

また、相手を先に逆方向に誘っておいて、重心が傾いたところで、その逆足の、わずか外側をパスで通します。これをやられると、相手はついてくることができません。

それを体現したのが、1点目をアシストした、セルジ・ロベルトでした。

まず、セルジ・ロベルトは右サイドから中へ入り込み、ブスケッツからパスを受けます。そこから、さらに中へ切れ込む間にスアレスが体の向きを変え、レアルのセンターバック、ヴァランの外側へ動き出します。

しかし、セルジ・ロベルトの姿勢、“矢印”はまだ中。それでヴァランの重心が内側(右足)に乗り切ったところで、セルジ・ロベルトはヴァランの左足のボール1個分外側、つまり「8つ目のコース」を使い、スアレスにパスを通しています。

重心が中に傾きすぎて、右足が完全に“埋まっている”ヴァランの左足は、単なる棒と化してました。だからすぐそばを通されても、何も対応できなかったわけです。

セルジ・ロベルトがドリブルのコース取りで駆け引きをして、ヴァランの重心と背骨をバラバラにし「8つ目のコース」を選んだ。まさにそこしかない、絶妙なコースとタイミングでした。

さらに付け加えれば、スアレスのシュートはアウトサイドというより「小指の付け根」に引っ掛けています。ここの方が、カーブのかかりが良いんですよね。

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【 39分、ネイマールの2点目 】「4つ目と5つ目のコースを通したイニエスタ」

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