2015.12.03 Thu

Written by EDGE編集部

アジア

【第34節】香港在住ビジネスマンが始める、サッカー事業の軌跡「イングランドとドイツで得た刺激」

近年、アジアでサッカービジネスに関わる日本人が増えてきた。香港在住15年を数える、池田宣雄氏もそのひとりだ。32歳のときに香港で起業し、コーポ レートコンサルタントを営むかたわら、サッカーに関する様々な業務のコーディネーターとしても活動している。金融の街としても知られる香港より、スポーツ ×ビジネスの観点から綴るエッセイ(アーカイブ)をお届けする。(文・写真 池田宣雄)

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<初出:2014年12月第4号 ぽけっとページウィークリー>

(編注:内容は全て原稿執筆時点2014年12月のもの)

9日間の欧州滞在に向かう深夜便に搭乗した際に、タブレットと充電器、そして空港で借り受ける予定だったレンタルWiFiを、すっかり忘れていた事に気付くという、信じ難い失態に自己嫌悪に陥りながらも、2009年1月以来の欧州出張の行程が始まった。

かなり早い段階から、日常の業務に最も影響を及ぼさない期間を抽出して、東京路線に続いて香港路線も撤退の噂が囁かれる、ヴァージンアトランティック航空のエコノミーチケットを確保。観戦可能なイングランドリーグの試合と、スタジアムツアーの日程を確認して、南ロンドンに立地する安宿をおさえた。

当初は、すべてロンドンに滞在して、現地で活動している知人を頼って、久しぶりのロンドンを満喫するつもりだったが、ヨーロッパ大陸側で活動している方々からも招集が掛かり、急遽フランクフルトへの渡航も組み込む事となった。

ロンドンとフランクフルト(とマインツ)では、現地で活動するサッカーの裏方さん4人と会う事ができた。

4人は、現地でプレーする日本人選手をサポートする立場で、筆者もお世話になっているユーロプラスインターナショナルの現地担当者、FIFA公認代理人、スポーツマネジメント業者、そして現役プロサッカー選手から紹介を受けた現地コーディネーターの方々だ。

マイナーの域を脱しない香港の地から出向いた筆者にとっては、サッカーの本場で勇ましく活動している彼らの言葉や、扱っている事案の規模、また現地の事情などが非常に刺激的で、筆者が活動している香港が、サッカーに対して如何に貧素な環境であるかを、痛切に感じてしまった。

短かい時間ながらも、言葉を交わしていて感じた事として、4人に共通していたのは、プロサッカー選手の経歴に深くコミットする立場にありながらも、担当する選手たちへの個人的な思い入れを排除する姿勢を示していた様に感じた。これは取り扱う事案の数に比例して、徐々に形成されて行くものなのだと思う。

試合の観戦は、結局1試合しかできなかったが、以前から訪れてみたかった西ロンドンのグリフィンパークで、ブレントフォードとフラムのダービーマッチを観戦する事ができた。

チャンピオンシップ(2部)で今シーズン実現したこの対戦は、長らくリーグ1(3部)を定位置としていたブレントフォードのチャンピオンシップ昇格と、プレミアリーグからチャンピオンシップに降格してきたフラムとの西ロンドン勢の直接対決で、チケットがクラブメンバー以外には販売されないという注目のカードだ。

クラブメンバーではない筆者は、運良く手持ちのチケットを譲りたい青年からテラス席のチケットを手に入れて、超満員のスタジアムに潜入する事ができた。古く寂れた小さなスタンドの、更にテラス席での立ち見観戦を経験できたのは幸運だった。現在のプレミアリーグでは、観客の雪崩れ事故を防止する目的で、テラス席の設置は禁止されているからだ。

その他に、トットナムの本拠地ホワイトハートレーン、ミルウォールのザ・デン、チャールトンのザ・ヴァレー、マインツのコファスアレーナ、フランクフルトのコメルツバンクアレーナを訪れる事ができた。また、ブンデスリーガのフランクフルトでプレーする、日本代表の乾貴士とも言葉を交わす事ができた。

充実の欧州滞在だった。多忙の中、香港の裏方を快く受け入れてくれた4人の裏方さんに、この場を借りて感謝申し上げたい。

ぽけっとページウィークリー
2014年12月第4号掲載コラム加筆修正

<プロフィール>
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池田宣雄(いけだ・のぶお)
AFCB香港紫荊會(www.afcb.biz)代表。大学卒業後、物流大手営業職等を経て、32歳の時に香港で起業。コーポレートコンサルタントのかたわら、フットボールコーディネーターとして香港で活動している。香港サッカー協会会員。1970年生まれの45歳。

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