2015.10.29 Thu

Written by EDGE編集部

アジア

「日本の個の力は弱くなってしまうのではないか」タイに渡って感じた、日本サッカーの特殊性/青山直晃インタビュー

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――タイのサッカーが特別なのではなくて、日本のサッカーが特殊だと感じますか?

青山:日本のサッカーはチームで決まりごとを守って、一人が動いたら、みんなで連動して細かく動く。難しいですし、言葉は悪いですが、面倒くさいところがあります。タイでプレーしてみて、逆に、ああいったサッカーをしているのは、日本だけなんじゃないかと感じるようになりました。海外のいい選手がJリーグに来て、活躍できないことがあるのも、そういった理由なのかもしれません。タイであれば、サッカー自体は特殊ではないので、いい選手なら基本的には成功すると思うんです。

――日本のサッカーは、いい意味でも悪い意味でも「個」を消す要素があるということでしょうか。

青山:日本のサッカーは、全チームが組織的に動くことを徹底されています。個人がどれだけパワーを持っていても、日本のセンターバックはそれを「いかに殺すか」という対応ができます。すごく足の速い選手がいても、背の高い選手がいても、組織でいろいろな対策をすることができます。タイに来て感じるのは、一番重要なのは個人で、負けたら「お前がダメなんだよ、お前が強くならなきゃいけないんだよ」というふうに見られること。結果として、個のレベルはすごく上がるんじゃないかと思います。日本の組織は強いですし、どんなフォワードにも対応できますが、個の力は段々弱くなってしまうんじゃないかという気もします。

――そこは日本の強みでもあるけれど、弱みにもなりかねない、と。

青山:これからどうなるのかな、というのは感じます。タイのサッカーは、前のアタッカーたちが自由にプレーしています。日本の場合はチームのことを考えて、今はボールを取られてはいけないから仕掛けないとか、取られないようにパスを回すとか、常に全体のことを見ます。フォワードの選手でもチームがきつい時は下がってきたりしますが、タイの場合はそんなことよりもチャンスがあれば自分で行って、ゴールが見えたらシュートを打つ。フォワードがボールを失う回数も多いんですが、シュート数もすごく多いです。トライする部分は成長につながると思うので、個人の能力はどんどん上がっていくと思います。

――実際、タイはロシアW杯アジア2次予選でも、グループ首位に立っています。そういった部分での成長が、代表の強化にもつながっているのでしょうか。

青山:そうかもしれません。アジアの中で、日本と韓国以外ではタイの能力はずば抜けて高いと思います。タイはこれから来ると思いますよ。

<次ページ>タイのチームメイトは、想像を絶する、最強に近い選手

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