2015.09.17 Thu

Written by EDGE編集部

インタビュー&コラム

【久保田コラム】大人にやらされる“あいさつ地獄”と、指導者をダメにする“試合会場のマイチェアー”のはなし

大好評の久保田コラム。今回は「育成年代に携わる、大人のスタンス」のおはなしです。たとえば、試合会場でよく見かける、心のこもっていない“あいさつ地獄”。たとえば、ベンチでマイチェアーにふんぞり返って偉そうにしている指導者…。選手は大人の自己満足や自己顕示欲を表すための道具ではないはずです。“現場のリアル”を発信するコラムをお届けします。(文・久保田大介/SUERTE juniors 横浜)

今回も育成年代について。良くも悪くも大人のスタンス次第、という話です。

言うまでもないことですが、育成年代では、選手たちに関わる大人(コーチ・保護者)の役割がとても重要ですよね。

でも現場に携わる身としていつも思うのは、誤解を恐れずに言えば、日本の大人達は「ちゃんと」し過ぎ。もしくは「ちゃんとさせよう」と頑張り過ぎなんじゃないでしょうか。

そして、必要以上に必死になりすぎだとも思う。必死と本気は違います。僕はいつでも本気だけど、選手よりは必死になりたくない。そのようにいつも心掛けてます。

子どもでも大人でも、そこにいる仲間同士がボールを使って遊ぶ。試合になれば本気で戦い、終わればまた仲間に戻る。それが、サッカー本来の姿なはず。

それを日本の大人達は自分達で勝手に捻じ曲げて、都合の良いものにして、子どもや選手達に押し付けている人がまだまだ多い。僕は、強くそう思います。

選手に「サッカーはもうこりごり」と言わせるのなら、それは大人の責任です。

突然ですが、試合会場で頻繁に見られる あいさつ地獄。あれ、いりますか?

会場に着けば、まず本部に全員揃ってあいさつに行かされ、時には「声が小さい」とか言われ、その日初めて会った知らないおじさんに、あいさつのやり直しを要求される地獄(笑)

うちは、公式戦でも練習試合でも本部へのあいさつは行かせません。僕が代表して行くし、そこで形式ばった心のないあいさつではなく、人間同士、サッカーファミリー同士の話をします。

選手達だって全員揃って形上のあいさつをするよりも、目と目が合えば「こんにちはぁ」と個別にあいさつをするし、握手もする。そこで会話が生まれれば、あとはうちの子達、その人のことをメチャいじり倒します(笑)

試合の合間とか、用もないのに本部に遊びに行ったり(笑)。そして、仲良くなって帰っていく。

神奈川では、試合後にそれぞれのチームが対戦相手のベンチにあいさつに行き、必ず相手ベンチの全員と握手をする風習があります。その時に、相手の目を見ないで握手していく子が、どれだけ多いことか。そんなことなら、最初からあいさつや握手なんてしなければいいと思います。やらされるあいさつや心のこもっていないあいさつならば、やる意味がないでしょう。

<次ページ>女子サッカーの現場で繰り広げられる“あいさつ地獄”

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