2015.08.17 Mon

Written by EDGE編集部

アジア

【第19節】香港在住ビジネスマンが始める、サッカー事業の軌跡「香港リーグ開幕。増加する外国人枠」

近年、アジアでサッカービジネスに関わる日本人が増えてきた。香港在住15年を数える、池田宣雄氏もそのひとりだ。32歳のときに香港で起業し、コーポ レートコンサルタントを営むかたわら、サッカーに関する様々な業務のコーディネーターとしても活動している。金融の街としても知られる香港より、スポーツ ×ビジネスの観点から綴るエッセイ(アーカイブ)をお届けする。(文・写真 池田宣雄)

<初出:2013年9月第4号 ぽけっとページウィークリー

(編注:内容は全て原稿執筆時点2013年9月のもの)

香港1部リーグの2013/14シーズンが開幕した。香港は他のアジア諸国と違い、本場欧州の主要リーグと同様に、この晩夏の季節に幕を開ける。

この地域では、英国支配の影響を色濃く残す香港とオーストラリアが、旧宗主国と同じ秋春制でのリーグ開催をずっと維持している。

今シーズンの香港1部リーグは、昨シーズン2部の1位から3位までのチームが昇格(1部の最下位チームが降格)して、合計12チームによる総当たり2回戦制で行なわれる。

各チームはリーグ戦を22試合戦い、優勝チームには2015年のAFCカップへの出場権が与えられる。逆に最下位のチームは来シーズンの2部降格の憂き目に遭う。

通常のリーグ戦の他に、リーグよりも長い歴史を誇る伝統のシニアシールドと、香港協会カップの2つのカップ戦が開催される。

さらに今シーズンの最期に、両カップ戦の優勝チームと、リーグの2位と3位のチームによるプレーオフ戦を行ない、その優勝チームに2015年AFCカップのもう一枠の出場権が与えられる。

シーズンの開幕に向けた真夏のプレシーズンは、各チームは例年に比べ忙しい2ヶ月だった。昨シーズンより参戦チームが2つ増加した事により、まず先にわれ先にと、自チームの所属選手の人数確保に追われていたようだ。

一昨シーズンあたりから、香港代表の主力クラスの選手たちが、中国リーグのチームへの移籍を果たして活躍するようになり、それらに続く選手たちが後を追う潮流がある。香港人および香港に帰化した外国人選手は、中国では国内選手として登録できるため、中国側のチームにも補強メリットが存在する。

また代表レベルには満たない香港人選手たちにも、少しでも実力のある選手を確保したいチームが、各々のレベルに見合わない好条件を提示して、香港1部リーグは選手の奪い合いの売り手市場に発展した。

昨シーズンは試合になかなか出場できなかった選手や、下部リーグでプレーしていた無名の選手、また一度は現役を引退していたような選手が現役復帰を果たすなど、結果的に参戦チームの増加は、香港の選手たちに大きな恩恵を与えている。

併せて外国人選手枠も増加した。昨シーズンの4/6(4人出場6人登録)が5/7(5人出場7人登録)に膨れ上がった事で、本来であれば声も掛からないような、レベルの高くない外国人選手たちが、各チームの外国人選手枠を軒並み埋めている。

因みに、今シーズンは7人の外国人選手の登録枠が設けられたが、仮に7人フルで登録した場合は、必ずアジア人選手1人と契約するという条件が付き、アジアではサッカー強豪国となる日本、韓国、オーストラリアの選手たちの契約が増加した。

アジアサッカー連盟主催の、AFCチャンピオンズリーグやAFCカップなどで採用されているアジア人枠を倣い、国内のリーグ規定に持ち込んだ形となった。

リーグ開幕から各チーム3試合を経過したところでは、順位の予想などは難しい状況ではあるが、2014年のAFCカップ出場権を獲得している、南華(サウスチャイナ)と傑志(キッチー)の両名門チームによる一騎打ちは間違いのないところだ。

2部から数年ぶりに1部復帰を果たした東方沙龍(イースタン)と、チームの身売り後も堅調な太陽飛馬(ペガサス)が、2強に続く存在である事も容易に予想できる。

今シーズンの香港1部リーグでプレーする日本人選手(永住資格者を除く)は、本原稿締め切り日までの確定ベースで計5人となった。

今秋の選手登録期限までに若干増える可能性も残されている。また来冬の移籍市場でも外国人選手の入れ替えや補強が行なわれるはずだ。

週末に彼ら日本人選手の勇姿を拝みに、最寄のスタジアムに足を運んでみては如何だろうか。

(編注:内容は原稿執筆時点2013年9月のもの)

ぽけっとページウィークリー

2013年9月第4号掲載コラム加筆修正

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<プロフィール>
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池田宣雄(いけだ・のぶお)
香港紫荊會有限公司・代表取締役社長。大学卒業後、物流大手営業職等を経て、32歳の時に香港で起業。コーポレートコンサルタントのかたわら、フットボールコーディネーターとして香港で活動している。香港サッカー協会会員。1970年生まれの45歳。

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