2015.07.12 Sun

Written by EDGE編集部

アジア

【第14節】香港在住ビジネスマンが始める、サッカー事業の軌跡(アーカイブ)

写真:池田宣雄

近年、アジアでサッカービジネスに関わる日本人が増えてきた。香港在住15年を数える、池田宣雄氏もそのひとりだ。32歳のときに香港で起業し、コーポレートコンサルタントを営むかたわら、サッカーに関する様々な業務のコーディネーターとしても活動している。金融の街としても知られる香港より、スポーツ×ビジネスの観点から綴るエッセイをお届けする。(文・写真 池田宣雄)

<初出:2013年4月第2号 ぽけっとページウィークリー

2013年3月、日本のJリーグと時を同じくして、中国超級(スーパーリーグ)と甲級(1部リーグ)が相次いで開幕した。4月には乙級(2部リーグ)も開幕する。超級リーグと甲級リーグ、そして乙級リーグまでの50余りのプロチームが、各々のタイトル獲得に向けて、今秋のリーグ閉幕までの長丁場を戦う。

中国在留邦人としてまず注目すべきは、元日本代表監督の岡田武史氏が指揮を執り、元日本代表のFW大黒将志がレンタル加入した、超級リーグの杭州緑城の状況から。

杭州緑城は、超級リーグの第4節を経過した時点で、1勝3分の勝ち点6で現在6位に着けている。大黒将志も頼れるスーパーサブとして、第3節には今シーズン初ゴールをマーク。大黒将志は、岡田監督がかつて指揮を執っていた、J1横浜Fマリノスからのレンタル移籍で、指揮官からの信望の厚い点取り屋だ。

このチームには、以前から杭州市内に生産拠点を構える「大金空調(ダイキンエアコン)」が協賛しているが、岡田体制2年目の今シーズンから、リーグの登録名を「杭州大金緑城」に改めて、日系企業からのサポート体制を拡充している。

因みに杭州緑城は、広州でのアウェー2試合を、7月13日(vs広州富力)と、9月29日(vs広州恒大)に行なうので、華南在住の皆さんは、是非会場に足を運んでみてはいかがだろうか。

そして、華南地区在留邦人として注目すべきは、元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏が指揮を執り、我らが「RAKU」MF楽山孝志が所属する、甲級リーグの深圳紅鑽だろう。

超級リーグへの復帰が期待される今シーズン、深圳紅鑽は苦しいスタートを切った。甲級リーグの第4節まですべてホームで戦いながら、1勝1分2敗の勝ち点4で現在9位。昨シーズンからの指揮官と外国人選手もチームに留まり、熟成を図るものとみられていたが、昨シーズン活躍した数人の中国人選手が、超級チームに引き抜かれた事も影響して、上位争いはおろか、中位からも脱落しそうな勢いだ。

楽山孝志自身も、右足の故障を抱えながら、強行出場した第2節以降状態が悪化。第3節は出場を見送り、第4節から復帰を果たしているが、チームの状況も停滞している中、チームと自身の浮揚のきっかけを掴めていない状態にある。

本拠地である宝安体育場に詰め掛ける観衆も、チームの現況に連動している。昨シーズンは、場内発表値で12,000人前後だった集客が、今シーズンは僅かに5,000人程度で推移している。会場周辺もスタンドも、昨シーズンの喧騒が嘘のように、閑散としている現実を否めない。

宝安体育場は2011年に完成したばかりの、非常に美しいスタジアムである。と同時に、深圳の地下鉄羅宝線(1号線)の宝体駅の目前に位置する好立地だ。香港からも十分に至便なスタジアムなので、皆さんも是非観戦に足を運んで頂きたい。楽山孝志も、華南在留邦人の皆さんの来場を心待ちにしている。

余談になるが、あのトルシエ監督のオーバーアクションも未だに健在だ。監督の傍らには、もうフローラン・ダバディ氏はいないのだが。

(編注:内容はすべて原稿執筆時点2013年4月のもの)

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2013年4月第2号掲載コラム加筆修正

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<プロフィール>
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池田宣雄(いけだ・のぶお)
香港紫荊會有限公司・代表取締役社長。大学卒業後、物流大手営業職等を経て、32歳の時に香港で起業。コーポレートコンサルタントのかたわら、フットボールコーディネーターとして香港で活動している。香港サッカー協会会員。1970年生まれの45歳。

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