2015.06.20 Sat

Written by EDGE編集部

アジア

【第11節】香港在住ビジネスマンが始める、サッカー事業の軌跡(アーカイブ)

写真:池田宣雄

近年、アジアでサッカービジネスに関わる日本人が増えてきた。香港在住15年を数える、池田宣雄氏もそのひとりだ。32歳のときに香港で起業し、コーポレートコンサルタントを営むかたわら、サッカーに関する様々な業務のコーディネーターとしても活動している。金融の街としても知られる香港より、スポーツ×ビジネスの観点から綴るエッセイをお届けする。(文・写真 池田宣雄)

<初出:2013年1月第2号 ぽけっとページウィークリー

香港プロサッカーの試合開催日程には、香港代表チームの国際試合や、毎年恒例となっている上海や広州のチームとの都市対抗戦、また春節(旧正月)に開催される海外チームとの招待試合の開催日程などにより、毎年少なからずの影響が及んでいる。

例えば、昨年の11月から12月に掛けての5週間に渡り、シニアシールドというカップ戦で既に敗退していた2つのチームは、実に1カ月以上に渡って公式戦日程がなかった。オフシーズンならともかく、秋春制を敷くリーグでは、リーグ中盤戦の佳境を迎える時期だというのに1試合もなかったのだ。

この時期に香港で開催されていたのが、7月に韓国で開催される東アジアカップに出場する1枠を争う予選ラウンド大会だ。地元香港の他、オーストラリア、北朝鮮、台湾とグアムの代表チームが、9日間に渡って香港の主要サッカー場を占有していた。

香港サッカー協会は、加盟組織(AFCやEAFF)が決定する国際大会の進行や、歴史のある中国側との都市対抗戦、また招待試合などの年間開催日程を固めてから、国内のリーグ戦やカップ戦の開催日程を振分けている。

シーズンが佳境を迎える時期に、何か深刻な不可抗力が働いた訳でもなく、また極寒の地の冬季中断でもなく、1カ月以上も公式戦のない日程が組まれる事は、リーグに加盟するチームにとっては受け入れ難い事だろう。

香港1部リーグの現状では、リーグ戦が年間18試合、その他2つのカップ戦で確定しているのが4試合のみ(共に決勝まで勝ち上がった場合は最大14試合)。そして今シーズンから、AFCカップの出場権を懸けたプレーオフ戦が数試合開催されるだけだ。

2つのカップ戦の結果次第ではあるが、共に決勝まで勝ち上がったチームで年間合計36試合程度、早々にカップ戦を敗退してしまえば、僅かに22試合しか公式戦がない。原則ホーム&アウェーでの開催なので、チームの主催試合はそれらの半数でしかないのだ。

そういう意味で、AFCカップに出場する2枠に辿り着く事が、上位争いに加わるチームの目標となる。2枠は香港1部リーグの優勝チームと、プレーオフ戦の勝者(リーグ2位・3位・2つのカップ戦優勝チームの合計4チームの中から1チーム)に与えられる。

AFCカップのグループリーグは、毎年3月から6月に開催され、仮にグループリーグで敗退した場合でも6試合が加わる事になる。香港でのホーム戦が3試合で、アジアの対戦国でのアウェー戦が3試合だ。ここまで勝ち上がった2つのチームが、ようやく年間40試合以上を戦う事ができる。概ねこの年間40試合が、他国のプロサッカーの標準的な試合数と言える。

香港のチームでプレーしている選手たちに聞いてみると、試合と試合の間隔が1カ月以上も開いてしまう事もあれば、局地的に3試合くらい続く事もあると言う。身体のコンディション調整が難しいらしい。

自国の代表チームの活動や、歴史のある都市対抗的な行事も大切ではあるが、それらと同等かそれ以上に尊重されるべきは、一定の優先性を備えたリーグ戦やカップ戦の開催だと考える。香港サッカー協会は年間試合日程の編成作業の際に、もう少しリーグ加盟チームへの配慮を見せるべきだと思う。(編注:内容はすべて原稿執筆時点2013年1月のもの)

ぽけっとページウィークリー

2013年1月第2号掲載コラム加筆修正

ppw_logo_fe

<プロフィール>
fe.profile (2)
池田宣雄(いけだ・のぶお)
香港紫荊會有限公司・代表取締役社長。大学卒業後、物流大手営業職等を経て、32歳の時に香港で起業。コーポレートコンサルタントのかたわら、フットボールコーディネーターとして香港で活動している。香港サッカー協会会員。1970年生まれの45歳。

 

◀︎前の記事 トップ ▶︎次の記事