2015.06.19 Fri

Written by EDGE編集部

日本代表

選手のコンディションは大丈夫か? “ワーカホリック”に陥る、ハリルジャパンの危険性

写真:松岡健三郎

ロシアW杯アジア2次予選、シンガポール戦は0対0の引き分けに終わった。試合の内容、結果もさることながら、注目したいのが、イラク、シンガポールと戦った『6月シリーズ』に向けた、ハリルホジッチ監督の準備だ。6月に入ってすぐ、シーズン直後の海外組をミニキャンプに招集し、清武弘嗣がケガで離脱した。5月にはゴールデンウィークで連戦続きだった、武藤嘉紀が合宿中にケガをする場面もあった。果たして、ハリルホジッチ監督のチーム作りの負荷、スケジューリングは適切なのだろうか?(文・清水英斗)

ワーカホリックの危険性。それを感じてならない、日本代表の6月シリーズだった。

この原稿はシンガポールに勝利を飾った後で、執筆するのがいいと考えていた。だが結果はスコアレスドロー。見事なほどの逆風が吹き荒れる中で、この原稿を出すのは少しためらわれるが、徐々に膨らむハリルホジッチの不安要素を、今このタイミングで記しておきたい。

6月8日のトレーニングで、右足底部に痛みを訴えたMF清武弘嗣。11日に検査を受けた結果、右足の第5中足骨骨折であることがわかった。手術を行い、約1カ月の間は、治療に専念しなければならない。

やはり6月は難しい。欧州組の選手は、シーズンを通して蓄積された疲労が、極限に達している。誰もが、大なり小なりのケガを、身体中に抱えたままで代表に合流する。

『第5中足骨』とは、足の甲の外側、小指につながる部分の骨だ。素早い動きを繰り返すサッカーやラグビーなどのスポーツシーンで多発する骨折であり、外力によって起きるケガとは異なり、一般的には使いすぎによる疲労骨折と考えられている。

体が出来上がっていない成長期の10代の選手に多いケガで、痛みがなくなったとして練習に復帰後、再発を繰り返し、完治が遅れるケースもある。清武がケガをしたのがこの部位であった以上「オーバートレーニングではないか」という疑念が沸くのは当然だ。

クラブでの出場時間が短かった川島永嗣、酒井高徳、原口元気らに、ハードトレーニングを課すのは問題ないだろう。しかし、今季のリーグ戦で32試合に出場し、シーズンの最後まで残留争いを続けたハノーファーの清武に対して、同等の練習はやりすぎだったのではないか。

もっと言えば、初日の6月1日から練習合流を求める必要はなかったのではないか。たとえばドイツ代表を見れば、今回はマヌエル・ノイアー、トーマス・ミュラー、マルコ・ロイス、トニ・クロースらの招集が見送られている。難しい6月のシリーズだけに、より慎重になって然るべきだ。

<次ページ>「筋肉系のトラブルはひとつも起きていない」と、ハリルホジッチ監督

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