2015.06.15 Mon

Written by EDGE編集部

アジア

どこよりも詳しい、ロシアW杯アジア2次予選で戦う、シンガポール代表の特殊事情

写真:本多辰成

いよいよ明日16日、日本代表のロシアW杯アジア2次予選がスタートする。対戦相手のシンガポール代表はちょっと特殊なチームだ。たとえば、代表チームの母体はあるひとつのクラブで、数名を他クラブから補強という形で連れてくる。彼らは自国リーグではなく、隣国のリーグに所属していたりと、世界的にも類を見ない代表チームの作り方をしているのだ。フットボールエッジでは現地取材で集めた情報を一挙放出。これを読めば、16日の試合を一味違った楽しみ方ができること間違いなし!(文・写真 本多辰成)

2018年のロシアW杯へ向けた戦いが、いよいよスタートする。

シリア、アフガニスタン、シンガポール、カンボジアと同グループになったアジア2次予選で、日本が最初に戦うのはシンガポールだ。 日本が対戦する4カ国との過去の対戦成績を見ると、シンガポール以外の3カ国には一度も負けていない。シンガポールに対しては20勝1分3敗と勝率こそ圧倒しているものの、唯一、敗戦の記録もある。

とはいえ、日本がシンガポールに喫した黒星も、最後が1978年と古く「3敗」に関しては参考にならないだろう。 だが、直近の対戦である2004年のドイツW杯アジア2次予選でも、ジーコ・ジャパンが苦戦している。アウェイでは高原直泰のゴールで先制しながら後半に追いつかれ、81分に藤田俊哉のゴールでなんとか勝ち点3を獲得。ホームでも前半立ち上がりに玉田圭司が挙げた1点を守りきって、1―0の辛勝だった。

当時の日本にとって、シンガポールは気の抜けない相手だった。 最後の対戦から11年が経った今、日本とシンガポールの実力差はどう変化したのか。結論から言えば2004年当時と比べて、差はずいぶん広がっていると見ていいだろう。日本がさらに飛躍した一方で、シンガポールは、急成長する東南アジアの中にあって思うような成長曲線は描けていないからだ。

シンガポール代表は、普通の国とは異なる特殊な形で成り立っている。

代表招集の際、フラットな状態から選手が集められるのではなく、代表選手は基本的にライオンズⅩⅡという一つのクラブに所属している。このチームが代表の母体として活動しており、そこに他クラブから補強するようなイメージで代表が結成されるのだ。

さらに面白いことに、ライオンズⅩⅡは自国のSリーグではなく、隣国マレーシアのトップリーグであるスーパーリーグに所属している。Sリーグにも、アルビレックス新潟シンガポールのように海外のクラブが複数参戦しているが、その点にもシンガポール特有の文化が見られる。

<次ページ>「今の日本ならば、普通にやれば問題ない」と、現地で指揮を執る日本人監督

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