2015.06.17 Wed

Written by EDGE編集部

インタビュー&コラム

選手の自主性を伸ばし、魅力的なサッカーで「京都から日本をひっくり返す」女子サッカークラブのはなし

前回のコラムで登場した、京都精華女子高等学校サッカー部監督の越智健一郎さんがGMを務める「京都バニーズSC」。千本哲也監督が指揮を執り、元日本代表監督の岡田武史さん、元同コーチの大木武さんがスーパーアドバイザーを務める異色のクラブです。「京都から日本をひっくり返す」(越智GM)ことを目標に、日々トレーニングに励むと同時に、選手の自主性を尊重し「魅力的に勝つ」チームをめざしています。日本サッカー界に異質な風を吹き込もうとしている、京都バニーズSCのおはなしをお届けします。(文・久保田大介/SUERTE juniors 横浜)

前回のコラムで越智健一郎さんを取り上げたのは「バニーズ京都SC」について書くためでした。

現在、なでしこリーグは1部・2部とありますが、その下に位置する「チャレンジリーグ」に属しているのが、京都をホームとする女子サッカークラブ、バニーズ京都SCです。そして今シーズンから(正確には昨シーズン終盤から)このバニーズのGM(ゼネラルマネージャー)に就任したのが、京都精華女子高校で女子サッカー界に新風を吹かせた越智さん、というわけです。

昨年11月、チャレンジリーグのさらに下、地域リーグに降格するかしないかという瀬戸際の入れ替え戦。その直前にバニーズの現場体制が変わり、まず越智さんがGMに就任。バニーズのオーナーから協力を依頼された塩釜FCの小幡忠義氏が、自らの弟子とも言える越智さんを紹介して実現した、この巡り合わせ。「本当の意味で、地域に根ざしたクラブを創ってほしいという想いで、越智さんに託した」と、小幡氏は言います。

その越智さんが新監督として白羽の矢を立てたのが、A級ライセンスを所持し、地元京都のクラブチーム「ACアンフィニ」で指揮をとっていた千本哲也監督。即答はしなかったものの、京都にある庭園、渉成園の芝生の上で寝っ転がりながら小幡さんが話した「クラブ」としての在り方に共感し、これも何かの巡り合わせと思い、監督就任を引き受けたとか。

「越智さんや小幡さんからの誘いじゃなければ、引き受けなかった」と、千本監督は言っています。

奇才GMと知将監督がタッグを組み、バニーズ京都の新たなチャレンジが始まりました。

入れ替え戦寸前でいきなりの体制交代。選手達の間で戸惑いやショックも大きかったらしく、千本監督いわく「指導者人生で初めてと言えるくらい、最初はもう…最悪アウェーな雰囲気」だったそうです。

その入れ替え戦をクリアし、短いオフを経て、新シーズンが始まりました。それまでのバニーズのサッカースタイルを一新し、前を狙いながらも、急がず、緩急織り交ぜながらボールを持ち、相手をいなし、局面を崩していくスタイルへの変換。この新たな取り組みについて、千本監督がさらに詳しく説明してくれました。

<次ページ>苦しい走り込みや厳しい叱咤、指導者の価値観の押し付けによって生まれる“強い選手”には魅力を感じない

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