2015.05.22 Fri

Written by EDGE編集部

インタビュー&コラム

【コラム】ブラジリアン・アニメとフッチボウ・ジャポネス、その可能性について(1)

クールジャパン、という言葉が定着して久しい。今では色々な分野で使われるようになったが、元々はアニメや漫画を中心としたサブカルチャーに対する評価が起源と言われている。海外市場など全く気にしていない、日本人の、日本人による、日本人のためのコンテンツとして作られたものが、結果として国籍を超え、多くの心を揺さぶることとなった。言い換えれば日本発の表現、感性に影響を受ける外国人が急速に増えた、ということになる。影響は行動や性格形成に変化を与える。生き方や、考え方、遊び方。目に見える程の大きなものではなかったとしても、必ず、以前と違ったものになっていく。本コラムはかなり変化球で、ぶっちゃけ異説だ。肩の力を抜いて読んでいただければ大変有難い。(文・渦マッキントッシュ)

日本のアニメが様々な国で評価を受けることは珍しくない。ヨーロッパやアメリカ、アジア各国で高い関心を持たれていることは良く知られているが、南米大陸でも日本のアニメに対する人気は上々だ。中でも親日国としても知られるブラジルでの盛り上がりは凄まじい。

フランスで開催されている「ジャパンエキスポ」の来場者が24万人を記録して話題になったが、ブラジルでは「アニメフレンズ」という大規模イベントが17万人を動員している。ジャパンエキスポが様々な日本の現代文化を扱っているのに対し、アニメフレンズはアニメや漫画、ゲーム、特撮などのサブカルに特化したイベント。その熱狂は欧州の盛り上がりを超えているかもしれない。

ブラジルは大きな国だ。国土は日本の22倍以上、人口は2億人ほどだが、人口構成の違いに注目したい。総人口のうち10~30代が占める割合は日本が32%程度なのに対し、ブラジルでは約50%にも及ぶ。これを人数にすると日本が4000万人、ブラジルは1億人、ということになる。これは中々な数字だ。

日本同様、ヨーロッパの先進国も概ね少子化、高齢化が進んでいるが、ブラジルには若い世代がどんどん溢れ出てくる印象がある。サッカーでは、ストリートから新しい才能が絶え間なく現れ、海外に出てヨーロッパを席巻し、やがてセレソンの一員となって世界を制する。仮に誰かが途中で挫折したとしても、次の候補たちがドンドン列をなしていく、それが王国のイメージ「だった」。だった、というのは、近年、ちょっと様子が変わってきているからである。

先日、コパアメリカに出場するセレソンの発表があった。ドゥンガに選ばれたのは次のメンバーだ。

GK
ジェフェルソン(ボタフォゴ)
マルセロ・グロイ(グレミオ)
ジエゴ・アウベス(バレンシア/スペイン)

DF
フィリペ・ルイス(チェルシー/イングランド)
ダニーロ(ポルト/ポルトガル)
ファビーニョ(モナコ/フランス)
ダビド・ルイス(パリSG/フランス)
マルキーニョス(パリSG/フランス)
チアゴ・シウバ(パリSG/フランス)
マルセロ(レアル・マドリー/スペイン)
ミランダ(アトレティコ・マドリー/スペイン)

MF
エリアス(コリンチャンス)
フェルナンジーニョ(マンチェスター・シティ/イングランド)
カゼミロ(ポルト/ポルトガル)
ウィリアン(チェルシー/イングランド)
コウチーニョ(リバプール/イングランド)
エエベルトン・リベイロ(アル・アハリ/UAE)
ドグラス・コスタ(シャフタール/ウクライナ)
ルイス・グスタボ(ヴォルフスブルク/ドイツ)

FW
ロビーニョ(サントス)
ネイマール(バルセロナ/スペイン)
フィルミーノ(ホッフェンハイム/ドイツ)
ジエゴ・タルデリ(山東魯能泰山/中国)

正直、オラ、ワクワクするとはとても言えない。攻撃的な選手で国際的なスターと呼べるのはネイマールのみ。タレントが不足している印象だ。もちろん、ウィリアンは良い選手だし、ACLで見た山東のジエゴ・タルデリだって悪くなかった。ただ、メッシやクリスティアーノロナウド、ロッベンあたりと比べると明らかにレベルが違う。ディフェンスにはワールドクラスの名前が並び、中盤の下がり目のポジションも悪くない。一方で、ブラジルが誇る「魅惑の攻撃サッカー」に必要な攻撃的な選手がどうも枯渇しているようなのだ。

<次ページ>「聖闘士星矢以降」という視点の存在

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