2015.05.20 Wed

Written by EDGE編集部

インタビュー&コラム

幸野健一のエッジな人 第4回「2年後、日本に一泡吹かせたい。育成のレジェンドが描く未来」黒田和生(後編)

黒田:僕は選手のメンタルを高めるために、練習の後に12分間走をよくやりました。40人ほどいる代表選手の中でメンバーに選ばれるために、「なにくそ!」という気持ちで一山越えていかないといけない。それは台湾でもやっています。

幸野:台湾の選手はこれまで、走りのトレーニングをしたことがないわけですよね。どんな反応をするのですか?

黒田:うわぁという感じです(笑)。走るのは嫌いだから。だけど、やるもんだということでやっています。みんな遅いですよ。12分間で3000mに到達する選手はほとんどいません。でも、メンタル的にたくましくなったとは感じます。

幸野:技術レベルはいかがですか?

黒田:ピッチ状態が悪いせいもあるのですが、ワンタッチプレーが少ないですね。ボールを止めるときに弾んでしまったり。ワンタッチプレーで相手を崩せないと、点には結びつきません。国際経験がほとんどなく、レベルの高い相手との試合が少ないので、改善したいと思っていますが、限界はあります。幸いなことに、いまは年に1回は日本に遠征に行くことができているので、レベルの高い相手と試合をしてガツンとやられる経験を積んでいます。そこで、自分たちに必要なものに気がつく。選手たちの意識は高くなりましたよね。

幸野:それが一番ですよね。うち(アーセナルSS市川)も先月、ジュニアユース40人を連れてイギリスに遠征に行きました。普段、日本では『高いインテンシティでプレーしよう』と言っているのですが、実際にイギリスでそれを体現する相手と試合をすることで「普段、コーチが言っていたのは、こういうことなんだ」と気がつく。それに勝るものはないわけです。

黒田:そうそう。そうなんですよ。

幸野:守備の組織がないことについてはどうですか? これはアジア全般に言えることですが。

黒田:たとえばスイーパーがいて、前にドカンと蹴りますよね。すると、相手のFWは攻めた後に前線に残っている。そこでDFが最終ラインを押し上げて、相手が蹴り返すと、いつもオフサイドにかかる。いわゆる、昔のサッカーですよ。

<次ページ>台湾にはあいさつの習慣がない!?

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