2015.04.09 Thu

Written by EDGE編集部

育成・トレーニング

サッカーは戦術だ!と言っていた村松尚登さんが、なぜいまコーンドリブル等の反復練習をしているのか?

写真:Hirama Takashi

スペイン・バルセロナでコーチとして経験を積み、スペインサッカーのノウハウや日本とスペインとの違いを発信し続ける村松尚登氏。村松氏に、"Borderless" football community主宰の久保田氏がワークショップの提案をしたところ、「地球の裏側まで行って《サッカーは戦術だ!》という結論に達した僕が、今なぜテクニックの反復練習にこだわっているのか。そこの部分を、話したいと思っていました」と返事が返ってきたという。はたしてスペインから帰国後、日本の指導現場に立ち、育成年代を指導する村松氏にどのような発想の変化があったのか? そして彼が考える『日本人にも出来ること、日本人だからこそ出来ること』とは?(文・久保田大介/SUERTE juniors 横浜代表/Borderless" football community主宰)

◆サッカー先進国から学び、日本独自の形を作る

はじめまして。”Borderless” football community主宰の久保田です。3月21日、”Borderless” football community 主催によるワークショップ『日本人にも出来ること、日本人だからこそ出来ること 村松尚登編』を開催しました。

はじめに “Borderless” football community というコミュニティについて説明させてください。これは私と京都の越智健一郎氏(バニーズ京都GM/京都精華女子高校サッカー部監督/ASラランジャ京都代表)が東西に分かれてタッグを組み、毎回テーマに沿って講習会や勉強会などを開催しながら、日本のスポーツ育成、特にサッカーの育成に少しでも波風を起こすために共創・共有・発信していこうという、指導者コミュニティです。

今回 “Borderless” で開催したワークショップ。テーマは『日本人にも出来ること、日本人だからこそ出来ること』でした。村松尚登さんに、このタイトルで講習会をしてくれないかと依頼したところ、二つ返事で快諾してくれました。その際に、村松さんから次の言葉も付け加えられていました。

「地球の裏側まで行って《サッカーは戦術だ!》という結論に達した僕が、今なぜテクニックの反復練習にこだわっているのか。そこの部分を、話したいと思っていました」

なぜこのようなテーマでワークショップを主催しようと思ったのか。日本はまだまだサッカー後進国であり、スペイン、ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、フランス…様々なサッカー先進国から学ぶべきところはたくさんあると思います。しかし「学ぶ、知る、真似る」だけで停滞しているのではないか。そんな思いを、以前から強く持っていました。

守・破・離 という言葉がありますが、学んだものの型をいずれは自分なりにアレンジして独自のものを確立し、飛び立たなくてはならない。でも、守・破・離 の『守』の部分だけで満足し、そこで思考停止している人がたくさんいる。そんな現実を嫌というほど見てきました。そこに、風穴を開けたいと思ったのです。

スペインをはじめ海外に行かれた人が語る「日本人はサッカーを知らない」という言葉。確かにそうでしょう。僕らはまだまだ、謙虚に学び続けなければいけない。でも学ぶことと、準ずる(殉ずる)ことは違う。今あるサッカーの定理、定義…それら全てに沿ったままでいなければいけないのか。そこにしかサッカーの正解はないのか。僕は、そんなことは決してないと思うのです。

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