2015.04.06 Mon

Written by EDGE編集部

アジア

幸野健一のエッジな人 第3回「プロになるために14カ国でチャレンジした男」 菊池康平(前編)

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菊池:会社には1年間休職扱いにして頂いて、チャレンジしました。ボリビアに行く半年ほど前に、フットサルで全治半年の大ケガをしたんですね。ひょっとしたら、もうサッカーはできないかもと言われるほどのケガでした。そこで、改めて自分は何がしたいんだと考えて、もし足が治ってサッカーができるようになったら、もう一回、海外でプロになるためのチャレンジをしようと決めました。そして、勤めていた会社に話をして、作文を書いたりして、1年間の時間をもらいました。

幸野:会社とすれば、菊池さんが海外に行くことに対して、どのようなメリットがあるかなど、決意のほどを知りたいでしょうからね。

菊池:作文では「海外のクラブを見つけて、自分で売り込む営業力を培い、その後の仕事に役立てます」と、こじつけ気味ですが、理由を考えました。

幸野:外国で所属チームを探すなんて、究極の飛び込み営業みたいなものですからね。実際に度胸もつくでしょうし。なぜ、ボリビアを選んだのですか?

菊池:最初はパラグアイのチームに行く予定でした。知り合いの紹介で行ったのですが、いざ現地に行ってみると、聞いていたことと話が違うことがたくさんありまして。そこで違うチームを探そうと、いろいろな人に連絡をとる中で、ボリビアに住んでいる人とのつながりを得ることができました。パラグアイから近かったので行くことにしたのですが、そのときは、このままでは日本に帰れないと思いましたね。パラグアイの『地球の歩き方』しか持っていませんでしたが(笑)

幸野:ボリビアに行って、なにから始めたのですか?

菊池:最初は日本人の方に、地元のクラブに連れて行ってもらいました。グラウンドに行くと紅白戦をやっていたので、監督に交渉をしに行ったら「わかった。試合に出ろ」と言われて、試合に出たら、生涯で一番いいプレーができたんです。その試合をクラブのオーナーがたまたま見ていて、「あいつは何者だ? いい選手だから契約しよう」と、トントン拍子に進みました。

幸野:すごいですね。それはボリビアのどのカテゴリーのチームですか?

菊池:サンタ・クルス州の1部リーグです。国全体で言うと2部リーグの強豪チームという位置づけです。最初は日本人を知らないので、いじめられたり、荷物を濡らされたりしましたね。言葉がわかってくると、遊びの中でいじられようになり、半年経ってようやくチームメイトに認められました。でも、公式戦には出られなかったんです。ボリビアに来る前にパラグアイにいたので、僕はてっきりパラグアイで選手登録をしていると思っていたんですね。パラグアイのサッカー協会に移籍証明書を発行してもらおうと思って連絡しても、返事が一向にないんです。ボリビアのFAXが壊れているのかと思い、事務所のFAXを点検したりしました(笑)。帰国間際に真相が知りたくて、日本サッカー協会に問い合わせたら、所有権は日本で所属していたクラブにあると。

幸野:プロにはなれたけど、試合には出られなかったんですね。

菊池:そうなんです。登録手続きの問題で。

幸野:海外に移籍する場合、よくあるケースですね。

菊池:せっかくプロ契約をして、少ないながらもお金をもらってプレーできるようになったのに、試合には出られませんでした。結局、ボリビアには1シーズンいたのですが、会社との約束に従って、5月に帰国しました。(後編に続く)

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