2015.03.31 Tue

Written by EDGE編集部

アジア

【インタビュー後編】18ヶ国でプレーした男、伊藤壇が考える『アジア移籍の新しい取り組み』

写真:Honda Tatsunari

近年、アジアの国々でプレーする日本人が急増しているが、この人は先駆けと言っていいだろう。伊藤壇、39歳。大学卒業後、ブランメル仙台でプレーを始め、日本、シンガポール、オーストラリア、ベトナム、香港、タイ、マレーシア、ブルネイ、モルディブ、マカオ、インド、ミャンマー、ネパール、カンボジア、フィリピン、モンゴル、ラオス、ブータンと、18の国・地域のリーグでプレーしている。海外移籍について、現役選手で彼ほど多くの経験とノウハウを持つ選手はいない。そんな伊藤選手が立ち上げた、アジアリーグへの移籍を支援する取り組み「チャレンジャス」とは?(文・写真 本多辰成)

――昨年の12月に、アジアのリーグにチャレンジする選手を支援する活動「チャレンジャス」を立ち上げられましたが、これにはどういった思いがあったのですか?

伊藤:これまでずっと代理人を付けずに一人でやってきた中で、他の日本人選手がどういう風にアジアのリーグに移籍しているのか、全く知らなかったんです。去年プレーしたラオスに、初めてチームメイトに日本人がいたので、いろいろと実情を聞くことができました。彼らの声をダイレクトに聞くことができた結果、これまでの自分の経験も含めて何かできることがあるんじゃないか? と思ったのがきっかけでした。

――具体的には、どんな声が聞かれたんでしょうか?

伊藤:みんな代理人やコーディネーターに頼んでチームに入っているのですが、代理人は多くの選手を抱えているので、チームが決まらない時のケアなど、どうしてもできない部分があるようです。仕方がない面もあると思いますが、個人的にはそういうところのケアが大切だという思いもあって。将来的には自分も代理人的なこともしたいと思っているので、これをきっかけに始めてみようと思いました。

――活動内容としてはバンコクに集まってトレーニングをしながら、チームを紹介するなど、代理人的なこともするということですよね?

伊藤:活動内容は大きく言って三つあるんですけど、一つはみんなで集まってトレーニング。僕自身、実家が札幌なので冬場に帰ってもトレーニングする場所がなかったりするのですが、みんな同じような悩みを抱えています。チームの練習に参加している時以外は、一人でボールを蹴ることしかできないのが実情なので、その面をケアできればと。二つ目は、チームがない無所属の選手を集めてトレーニングマッチ。三つ目が、依頼されればチームの紹介です。

――拠点としては、やはりバンコクがベストですか?

伊藤:いろいろ調査した結果、いろんな面でタイがベストだと思います。周辺国へのアクセスもいいですし、トレーニング環境もいい。宿泊施設にしても、マンスリーで借りられる快適なサービスアパートなどが都心にたくさんあります。今回は特に広告を打つこともしなかったんですが、口コミで広まって30名ほどが参加してくれました。

――どんな選手たちが集まったのですか?

伊藤:プロ経験のない若い選手から、日本代表歴のある選手までさまざまです。「チャレンジャス」を作った思いとして、『同じ目的を持った選手たちでトレーニングすることで、切磋琢磨できるだろう』というのがあったのですが、実際にやってみてその通りだったと思います。誰かがどこかのチームのトレーニングに参加すると、『自分もうかうかしていられない』という空気が生まれましたし、お互いに刺激になったんじゃないかと思います。

<次ページ>タイ、ラオス、カンボジアのチームと契約した選手が数名誕生

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