2015.03.28 Sat

Written by EDGE編集部

日本代表

【チュニジア戦レポート】“厳しさ”を信条とする新しい日本代表。競争を勝ち抜く選手は誰だ?

写真:Matsuoka Kenzaburo

27日、ハリルホジッチ新監督に率いられた日本代表は、チュニジアを相手に2対0で快勝した。集合して間もないとはいえ、ハリルホジッチが選手に求める戦術やメンタリティの一旦が垣間見れた試合でもあった。果たして、新監督の眼鏡にかなう選手はどれだけいたのか。現地からの分析をお届けする。(取材・文 清水英斗)

生まれ変わったサムライは、刀を捨て、腹にくくった一本の槍で敵をまっすぐに貫く。

ぎこちない部分は多いが、ハリルホジッチが指揮する日本代表がどのようなサッカーを目指しているのか。チュニジア戦では、少なくともその一端が示された。

序盤の攻撃は、かなり右サイドに偏った。それは右利きの槙野智章が左センターバックに入った影響もあるし、吉田麻也や長谷部誠といった縦パスを入れる能力の高い選手が、右サイド側でプレーしたことにも起因するだろう。

それによってすぐに明らかになったのは、反対側の左サイドハーフに位置する武藤嘉紀が、グイグイと中央に、ときには逆サイドにまで張り出してくることだった。それは77分の先制ゴールにつながった本田圭佑のダイナミックな飛び出しも同様だ。岡崎慎司がポストプレーで空けた穴に、逆サイド側から越境して斜めに飛び出し、そこからの流れが岡崎のゴールにつながった。

この動きはトレーニング時に見られた傾向のとおりだ。前線をコンパクトに縮め、流動性を高めた中で、相手の背後を突く動きを繰り出していく。攻守の切り替えも早く、ボールを奪われた瞬間に、高い位置からカウンタープレスを仕掛ける。それは香川真司が所属する、ドルトムントを彷彿とさせるプレーぶりだ。

剣で切り払うのではなく、槍で一点を貫くサッカー。

しかし、まだそのスタイルに対し、腹をくくれていない選手も目につく。

酒井宏樹はもっとボールを前に置かなければならない。せっかくパスを受けても、相手から逃げるようなボールの置き方をするので、縦の視野が制限され、縦パスのタイミングを逃す。その結果、残念なバックパスが繰り返された。

このボールの置き方の差は、途中交代で入った内田篤人と比べれば歴然。内田は自信をもって堂々と前にプレーし、ボールをさらすことで、逆に相手のマーカーにプレッシャーを与えるような、次元の違う迫力さえ感じられた。

<次ページ>山口、川又、藤春にも求めたい、速く、正確なプレーの精度

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