2015.03.15 Sun

Written by EDGE編集部

アジア

サッカーベトナム女子代表の乗松隆史監督に直撃インタビュー(前編)

写真:Matsuoka Kenzaburo

3月4日にベトナム女子代表監督に就任したばかりの日本人サッカー指導者、乗松隆史氏にベトナムフットボールダイジェスト編集部が直撃インタビューを行った。ホーチミン市で行われているベトナム女子リーグを視察中の乗松新監督に就任後の意気込みなどを語ってもらった。(提供:VETNAM-FOOTBALL)

resize-img
――まずはベトナム女子代表監督就任までの経緯についてお聞かせください。

「日本とベトナムのサッカー協会がパートナーシップを締結している関係で、昨年、男子代表監督に就任した三浦俊也監督に続いて、女子代表監督にも日本人を派遣という話があり、私の経歴で何か貢献できることがあればと思い、受けることに決めました」

――その話を聞いて即決だったのでしょうか?

「やはり悩みました。一国の代表監督となるわけですから、私の経験がマッチしているのか、ベトナムに何を還元できるのかを考えた場合、多くのものを還元できる要素が無かったので、最初はお断りすることも考えました。しかし、新しいことにチャレンジするという意味で、どこかでファーストステップを踏み出さないといけないこと、そして、機会を与えてもらったこと自体が大きなチャンスだと思い、受けることにしました」

――先日、代表監督の就任会見が開かれましたが、その時の率直な気持ちをお聞かせください。

「メディアもたくさん来ていましたし、女子代表への期待の高さを感じました。新監督がどのようなビジョンを持ち、ベトナムに何を還元してくれるのだろうという、期待と不安が入り混じったものを感じとることができましたが、これは今後、練習や試合を通じて少しずつ見せていく必要があると思っています」

――女子チームの監督就任、そして代表チームの監督就任。この二つは乗松監督にとって新たな挑戦ということになるのですが、その難しさはどんなところにあると思いますか?

「ヴィッセル神戸などではトップチームでも指導したことがありますが、私が指導者になってから、これまでは育成年代、若しくは若手の指導の仕事が大半でした。そことの大きな違いは、若手のうちはトライ&エラーと言われるような将来に繋がるエラーならば、それも貴重な経験と捉えられることがありますが、代表が行う国際試合や予選では、どうしても結果が求められるので、そういった難しさはあると思います。ただし、現在の女子代表で叫ばれている世代交代や若手の伸び代を活かすということで言えば、得意分野でもありますので、その辺りをうまく結果とリンクさせていければと思っています」

――ベトナムのサッカーについてですが、事前に何か情報を得ていらっしゃいましたか?

「ベトナムについてもそうですが、アジアサッカーに対しての知識がまだまだ足りないと感じています。そういった中では、今回のベトナムフットボールダイジェストの取材も含めて、色々なところから情報を集めたいというのが現在の正直な気持ちです。その中で、実際に自分が現場で落とし込めるもの、情報とは異なるもの、というのを肌で感じる必要があると考えています」

――就任後に早速、ベトナム女子リーグの第1節(3月5日開幕)を視察されましたが、実際に見て、まずどんな印象を持ちましたか?

「まず国民性なのかもしれませんが、選手たちからは非常にまじめな印象を受けました。日本の選手と比べると、まだまだ技術的には改善の余地がありますが、そこが伸び代になってくるのかなと感じました。具体的には、中盤でタメを作ったり、パスを回したりするような時間が極端に短いように見受けられました。何本かパスを繋いだ後は長いボールで打開を図っていて、そのボールの精度も良かったり悪かったりで安定していません。ピッチの問題もあるのでしょうが、そういったところを改善できれば、ボール保持率を上げられるかもしれないし、もっと確実なチャンスを数多く作れるんじゃないかと感じました」

――今後の代表監督としての仕事についてですが、現在分かっている範囲でお聞かせ願えますか?

「まだ確定ではないですが、5月のAFFの大会(東南アジア女子サッカー選手権)に先駆けて、4月10日前後から第1次の合宿を組もうということになっています。ただ、それがどれくらいの日程になるのか、そのまま大会に臨むような形になるのかは未定で、その辺りは今後、協会と協議していく予定です。現在、セントラル開催で行われている女子リーグが3月最終週までありますから、疲労のことも考えると、どれくらいの選手をどういった形で招集して、どんなトレーニングをしていくのかということを、今後リーグ戦を観ながら考えていく必要があると思っています」(後編に続く(提供:VETNAM-FOOTBALL)

◀︎前の記事 トップ ▶︎次の記事