2015.03.12 Thu

Written by EDGE編集部

アジア

【現地発コラム】なぜタイリーグで60名以上の日本人選手がプレーするようになったのか?

 
本多タイ

120ものクラブが存在、根底には友好的な両国関係

もう一つ注目すべきは、タイリーグが3部リーグ計約120ものクラブからなるという点。タイの全77県のほぼすべての県にチームが点在し、Jリーグをはるかに上回る数のプロチームが活動していることはあまり知られていない。

3部リーグにあたる『ディビジョン2』は日本の地域リーグのように、タイ全土を6つの地区に分けてリーグ戦を行い、最後に上位チームが「チャンピオンズリーグ」と呼ばれる『ディビジョン1(2部リーグ)』昇格をかけた決勝リーグを行うレギュレーションになっている。

下部リーグは事実上、地元有力者のポケットマネーによって運営が成り立っているクラブも多く、プロとして健全かといえば疑問符はつく。とはいえ、プロクラブ数の多さが「世界一多くの日本人がプレーするリーグ」の一因となっている。

ディビジョン2には日本でプロ経験のない若い選手も多く在籍しており、現地の平均的な月給程度のサラリー(5〜6万円ほど)を得てプロキャリアをスタートさせている。

また、昨季はタイでの活躍が認められて平野甲斐がセレッソ大阪へ移籍。今季もJリーグでのプレー経験のなかった能登正人がタイリーグを経てジェフ千葉に加入するなど、「タイ経由Jリーグ行き」のパターンも生まれ始めている。

プロ選手としてのキャリアをスタートさせる場として、あるいはステップアップの場としてのタイリーグの可能性は、今後ますます広がっていくだろう。

最後にもう一つ、タイリーグで日本人選手が急増した理由を、日本とタイの関係性、そして受け入れる側のタイの視点からも挙げておきたい。

タイには『世界最古の歴史を持つ日本人会』が存在するなど、深く長い日本人との関係があり、日本を自然に受け入れられる土壌がある。タイで日本人を語るときに必ず出てくるフレーズが「規律」だが、秩序やマナーなどにおいて「日本を見習おう」という空気は古くからあるものだという。

日本サッカーがアジアをリードするようになった昨今、サッカーにおいても「日本から学ぼう」という発想が自然に生まれているのを感じる。

日本人が所属するチームの客席には、必ずと言っていいほど日の丸が掲げられている。日本を好意的に受け入れてくれるタイという国、その友好的な両国関係が、日本人が多くプレーする現象の根底に存在しているのだ。(文・写真 本多辰成)

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