2015.02.26 Thu

Written by EDGE編集部

フットサル

ラスト13秒。大阪vs浦安の「あっけない結末」の裏にあったもの

写真:本田好伸

プレーオフの2ndラウンドを制したのはリーグ戦5位で滑り込んだ大阪だった。浦安に対して、綿密な対策を立てて、一瞬の隙を突いて、Finalラウンドの切符を勝ち取った。「自分たちのフットサルをする」(米川監督)と宣言していた浦安だったが、大阪に良さを封じられて、昨年と同順位で涙を呑んだ。(文・北健一郎/futsalEDGE編集長)

呆気ないゴールの裏に

物語の結末は、「呆気ない」と表現して良いぐらいの形から生まれた。

残り13秒。右サイドで仕掛けた加藤未渚実が蹴り込んだ、限りなくシュートのようなボールを、ファーサイドでキャプテンの佐藤亮が押し込んだ。20分以上動いていなかったスコアは「大阪2−1浦安」という状況に変わった。

失点後、浦安ベンチはタイムアウトをとって、最後の望みをかけてパワープレーを行った。だが13秒という時間は奇跡を起こすにはあまりにも短過ぎた。プレーオフ2ndラウンドを制したのは、リーグ戦5位で滑り込んだ大阪だった。

「やっちゃいけない時間帯での失点を2回してしまった」

そう悔やんだのは、失点シーンで加藤に対応していた高橋健介だ。高橋が加藤を甘く見ていたわけではない。

「ポテンシャルのある選手だということはわかっていた。レフティだから、まずカットインをさせないように中を切っていた。そしたら縦に来て、中に入れられてしまって。もっと身体を投げ出せば良かったかもしれない」

左利きの加藤が右足で蹴ったボールは、GK藤原潤と荒牧太郎の間を抜けて、ファーポストの大阪・佐藤のところまで届いた。佐藤は完全なフリーだった。

「太郎のマークは別の選手で、相手がシュートを打ってきたら、マークを受け渡してファーをカバーするのが約束事だった。だけど、加藤の蹴るタイミングが速くて、スライドが間に合わなかった」(藤原)

サイドからのクロスをファーで詰める。いわゆる「ファー詰め」はフットサルの王道パターンだ。それゆえに、各チームは対策をしてくるし、簡単には決めさせてはもらえない。事実、この試合でも大阪は何度もファー詰めを狙っていたが、ほとんどがゴールには結びついていなかった。だが、佐藤は「1試合を通じて狙っていた」。

「ウチの加藤と稲田(瑞穂)には個ではがせる力がある。そういうシーンが何度もあった。セカンドポストに行けば、いつかは決まると信じていた」(佐藤)

佐藤は練習中から加藤にこんなアドバイスを送っていたという。「完全にはがすんじゃなくて、ちょっとでもコースができたら入れてほしい。オレの動きは見えていなくてもいいから」。加藤が相手を完全にはがそうとしていたら、あるいはファーに人がいるかを確認していたら、この決勝点は生まれなかったはずだ。

呆気ないように見えたゴール。だが、それが生まれたのは何度失敗しても、お互いを信じて、やるべきことをやり続けたから、だった。

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