2015.01.05 Mon

Written by EDGE編集部

高校&ユース

『流れを変えた二本の矢』高校サッカー準々決勝 日大藤沢 2対1 静岡学園

写真:Kishiku Torao

日大藤沢は序盤から静岡学園の高い個人技に苦戦。両サイドを幾度となく崩される。それでも、途中出場のFW前田マイケル純、FW今井裕太という二本の矢が躍動。2人の得点で見事に初のベスト4へと名乗りを挙げた。(取材・文 松尾祐希)

「前半からもいける日大藤沢を見せたい」と日大藤沢・佐藤輝勝監督が今大会中に話していたが、ロングボールを入れ、こぼれ球を素早く拾う静岡学園を前に前半は沈黙。

流れを変えたい日大藤沢は、後半の頭からMF佐藤拓に代え、FW今井裕太を1本目の矢として投入。

佐藤監督はそれでも流れが変わらないと見るや「試合前から勝負どころで使うことを決めていた」と、後半27分にDF富山北斗を下げ、“二本目の矢”FW前田マイケル純をピッチに送り出した。

すると、この采配が見事に的中。

静岡学園に押し込まれていた日大藤沢は、後半29分に左サイドでFKを得ると、MF西尾隼秀がペナルティーエリアに左足でボールを入れる。

このボールにDF小野寺健也が頭で後ろにそらす。

これに反応したDF金井勇人が、混戦の中で足を伸ばしてボールをつなぐと、最後は飛び込んだ前田が胸で押し込み先制弾。

後半38分には、1本目の矢として送り出された今井も呼応するように、田場のスルーパスからGKとの1対1を制し決勝ゴールを奪った。

この試合、途中からピッチで躍動した2人だが、それまで悔しい思いをしてきた。

今井はトップ下のレギュラーとして県大会を戦ったチームの中心にいたが、大会開幕2日前にインフルエンザを発症。

準々決勝が初出場となった。

一方の前田も県予選では1トップのレギュラーとして活躍。

県予選準決勝までは、主将のDF吉野敬を負傷で欠いたこともあり、副主将としてチームをけん引してきた。

選手権の1回戦でも、その座をゆずることなく先発でプレー。

しかし栗林の調子が上向いていたこともあり、2、3回戦はベンチスタートだった。

それでも、しっかりと準備をおこたらなかった2人は準々決勝で躍動。

「(前田は)3回戦では、ジェラニ(住吉ジェラニレショーン)が出て、悔しい思いをしたと思います。でも、ジェラニが体調不良になってしまい『俺しかいない。やるしかない!』という姿勢が昨日の練習でも現れていました。だから、今日は(前田で)行こうと決めていましたし、やってくれると思っていました。ただ、今は栗林の調子がいいので外せなかった。足がつっても頑張ってもらいたかったし、マイケル(前田)が入って、後半から今井が入ったことで流動的にやれていたので、何とか点数が入ればいいなと思っていました」と佐藤監督も、途中から入った2人の活躍に満足気な表情を見せた。

「インフルエンザがあっても、絶対に戻ってくるんだという一体感があります」と指揮官が語るように、チームの雰囲気も最高潮。

日替わりでヒーローが出てくる部分も含め、日大藤沢は勢いに乗っている。

過去最高成績であるベスト8を更新したチームは日本一を目指し、前回大会準優勝の星稜に挑戦する。

次、活躍する選手は一体誰なのか。

準決勝も目が離せない。

 【日大藤沢対静岡学園 試合後のコメントはコチラ

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